* 第15章 炎の谷

 ※ このコンテンツは、極度のネタバレを含んでいます。なので閲覧をされる方は、ストーリーを一度は味わって下さい。


* 炎の谷入り口にて

ダンガ:

 ここが炎の谷か。

ネロ:

 名前のわりには、普通の谷だね。

ダンガ:

 名前の由来は、あくまでフレムがいるって事だけなんだろうな。だから、普通の谷でも「炎の谷」ってか?

チェリー:

 いいえ、違うわ。ここは、本当にあちこち燃えている所があるの。

ネロ:

 そうなの?

フィー:

 化学反応が常に起きているようで、炎が消えないという話を聞いた事があるよ。

ダンガ:

 ふ~ん。

チェリー:

 アレレ?エクールちゃん、どうしたの?

エクール:

 えっ、いや、その…

フィー:

 あっ、そっか。谷だから、エクールにはつらいかもね。

ダンガ:

 おいおい。ここまで来て、高いとここわぁ~い!なんて言えるとでも思ってるのか?

エクール:

 そ そんな事言われてもぉ~。 高いの、やっぱりダメだってばぁ~。

チェリー:

 へぇ~。人にもいろんなのがいるのねぇ。びっくりしちゃった。

フィー:

 エクール。ここではエクールの持つ力が有効に活用できそうなんだ。だから、正直そんなんだと困るよ。

ネロ:

 フィー、ダンガさん。少しエクールを攻め過ぎだよ。

ダンガ:

 んだよ、ネロ。何が攻めてるって言うんだ?

ネロ:

 じゃぁ、エクールにどうこう言ってるけど、結局どうするのさ?

フィー:

 そ それは… 仲間だから、見捨てたりはできないけど…

ネロ:

 全ての生き物には得意不得意が必ずある。二人だって、そうだし、もちろん僕もそうだよ。

エクール:

 ネロ…

ネロ:

 エクールは、たまたま高い所が苦手なんだ。僕なんか、魔法が使えないがために、みんなにもっと迷惑をかけていると思う。

ダンガ:

 そ そうだな… 俺だって、魔法は得意でねぇな…

フィー:

 自分も、苦手なものがある…

チェリー:

 じゃ、ついでにあたしも、人間みたいな事できないし…

ネロ:

 だから、みんな共存するんでしょう?互いの弱点を認め合い、補い合ってさ。

エクール:

 ネロ、ごめんね。

 私だって、わかってる。今は、ここで怯えている場合じゃないって。

フィー:

 ごめん、エクール。つい、言い過ぎた。

エクール:

 みんな、ごめんね。私、がんばるわ。だから、みんなも力を貸して。

ダンガ:

 当たり前じゃねぇか。だからここまで来たんだ。

チェリー:

 それじゃ、早く中へ行こうよ、ね。

ネロ:

 うん。

 

* 炎の谷入り口付近の分岐路を直進しようとして

 不思議な力に邪魔されて、先に進む事ができない…

エクール:

 な 何コレ!痛い…

チェリー:

 強い炎の力を感じる。どこかに、この力の源があるのかな?

フィー:

 近くに、クリスタルオーブらしき物は見当たらないよ。もっと奥にあるのだろうか?

ネロ:

 仕方ない。それじゃ、右の道へ行こうよ。

 

* 炎の谷中部の4つの分岐がある所にて

チェリー:

 これ、どう見てもオーブじゃない?

フィー:

 燃えてるから、炎か水で壊せるかなぁ?

 

* オーブ壊して

 炎は消え、正面の道も通れるようになった!

エクール:

 左右の気配、変わらないね。原点はもっと奥かなぁ?

 

 

* 炎の谷 最奥部にて

ネロ:

 うわぁ、広い!

ダンガ:

 ここが、一番奥だろうか?

エクール:

 でも、前には炎があるだけねぇ。

フィー:

 凄いよ。本当に燃えてる。炎の谷の不思議話は、本当だったんだね。

???:

 よくぞここまで来た!

ダンガ:

 おぉ!魔法主様のお出ましか。

炎の魔法主 フレム:

 その通りだ。俺こそ、この谷を制する者、フレムだ。

ネロ:

 (うわぁ、熱血的そう… きっと、血が濃いんだろうなぁ。)

炎の魔法主 フレム:

 おや?その剣は!

チェリー:

 あっ!

フィー:

 (そうだった!あの魔法主は、武器を持った者を見ると、強制的に戦いを…)

炎の魔法主 フレム:

 うっしゃぁぁぁ!燃ぉえて来たぜぇぇ!

ネロ:

 あっ、ちょ ちょっと待って下さい!ぼ 僕ら、別に戦いは…

炎の魔法主 フレム:

 何言うんだ。俺のハートを燃やすのは、熱い戦いさ。今回は骨のあるやつそうだな。思う存分楽しませてもらうぜぇ♪♪

 

* フレムの猛攻に耐えて

 ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

ネロ:

 も 燃え尽きた!

エクール:

 自分の熱で燃え尽きるのって、何だかなぁ…

フィー:

 で、この後どうなるんだろう?

ネロ・エクール・ダンガ・チェリー:

 あっ!

チェリー:

 戻って来てくれないと、魔法主様の力、もらってないわよね?

ダンガ:

 って言われても、どこに行っちまったんだ?

 

ネロ:

 ふ 復活したぁ!

炎の魔法主 フレム:

 ふぅ。ちょっと燃え過ぎちまったぜ。あんたら、やるじゃねぇか。

ダンガ:

 アンタのお遊びには付き合ってやったぜ。今度は、俺達の用も聞け!

炎の魔法主 フレム:

 俺の力を得たいんだな。そりゃかまわねぇさ。さぁ、これを受け取れ!

 炎の魔法主 フレムの力を得た!

 

ダンガ:

 よっしゃぁ!これで、俺はさらに上の力が使えるってわけだ。

フィー:

 ネロ、炎でもないんだね。

エクール:

 あと残ってるのは、水と木よね?

炎の魔法主 フレム:

 さて、俺は消えるとしよう。また、どこかで熱いバトルをしてぇなぁ!

ネロ:

 あ あの、待って下さい!

エクール:

 に 逃げた?

 

チェリー:

 こ 怖かった。あんなのがいたなんて…

エクール:

 今までの中で、いっちばん性格が悪かったよ、アレ。

ダンガ:

 確かに、前のシャドといい、あやつらは、どういう神経してんだろうなぁ。

ネロ:

 僕、本当に魔法が使えるのだろうか…

フィー:

 ネロ。落ち込まなくていいよ。他の魔法種も、少しずつ力が付いてきてるって言ってたし。

エクール:

 少しずつって、いったいいつになるのよ!

チェリー:

 エクールちゃん!落ち着いて!

ネロ:

 ともかく、もう帰ろう。例のごとく、夕方になっちゃったし。

ダンガ:

 そうだな。エクールちゃん、よくがんばったな。

エクール:

 ちゃ ちゃん付けしないでって言ったでしょう!

チェリー:

 スリープウィンド!

ネロ:

 …

チェリー:

 完全に、錯乱してたみたい。

 

* セリウスとクレアー登場

ネロ:

 何か来た…

フィー:

 谷の途中で見かけた人にそっくり…

旅人 A:

 おや?君達、ここで何をしているんだい?

ネロ:

 炎の魔法主に会ったんです。

旅人 B:

 なんですって?あの魔法主に会って、その程度の傷だったと言うのですか?

ダンガ:

 その程度とは失礼な。危うく焼き殺されるところだったぜ。

旅人 A:

 たいていの人はすでに焼け死んでしまうよ。

旅人 B:

 あなた達、只者ではないようですね。

フィー:

 あの、私達は普通の学生と大人ですが。

旅人 A:

 ん?そこで倒れている女の子は、友達かい?

ネロ:

 あっ、はい。さっき、いろいろあって…

ダンガ:

 そうだ。アンタ達、この子を外まで運びたいんだが、手伝ってくれねぇか?さっきの戦いで、俺たちの力だけで運べるか、少し危ういんでさ。

旅人 B:

 わかりました。では、一緒に行きましょう。

 

ネロ:

 あっ、エクール…

エクール:

 アレ?私、何してたの?

フィー:

 ともかく、外へ戻りましょう。

 

 

* 炎の谷の外にて

ネロ:

 ありがとうございました。

クレアー:

 あなた達、凄いですね。ミルタウンからここまで来るなんて。

ダンガ:

 ほぉ。アンタ達は、どこの出身なんだ?

セリウス:

 私はセルターネス、彼女はナムアだよ。

クレアー:

 私達、世界各地を旅する事が生きがいで、二人で共にここまで来たんです。

ネロ:

 へぇ~。それも凄いですね。しかも、二人でですから。

クレアー:

 ねぇ、あなた。この子たちと一緒に行かない?

セリウス:

 一緒に…

クレアー:

 ここまで来てフレムと会っているのだから、並みの旅人ではないわ。それも、子供達が。

セリウス:

 確かにそうだな。だが、お前の判断で決めてはいけないぞ。

クレアー:

 わかってるわ。

 

エクール:

 みんな、ごめんね。

フィー:

 いや、いいんだよ。あの時は、仕方なかった。

ネロ:

 そうだよ。ともかく、無事に炎の魔法主にも会えたんだ。

チェリー:

 で、次はどこへ行くの?

ダンガ:

 さっき歩いてて気づいたんだが、あの谷のあちこちの穴の様子が変わってたぜ。

フィー:

 それ、調べてみた方がいいかもしれない。

エクール:

 そうなの?

フィー:

 海底神殿にしても深緑の森にしても、ここから歩いて行けるものではないよ。少なくとも、人が知ってる限りはね。

 でも、谷の向こう側に当たる部分は未知かもしれない。

ネロ:

 なるほど。知らないって事は、調べれば何かあるかもしれないんだ。

エクール:

 じ じゃぁ、またあそこ歩くの?

チェリー:

 本当に大丈夫なの?

ダンガ:

 わからねぇな。だが、どうせ他に道もねぇんだろ?ないなら作るしかねぇって事だろうよ。

ネロ:

 それじゃ、一度町に戻ってから、出直そうよ。今はともかく、この状態だし。

チェリー:

 あっ、さっきの二人がこっち来てる。

セリウス:

 なぁ、君達。妻が、頼みたい事があるって言ってるんだ。聞いてやってくれないか?

エクール:

 頼みたい事?

クレアー:

 私達も、あなた達の仲間に入れてもらえないかなぁって、思ったんです。ダメでしょうか?

フィー:

 二人を?

ダンガ:

 どういう事なんだ?

セリウス:

 君達と旅していると、きっと自分達を成長させる要因になるかもしれない… そう思ったんだ。

クレアー:

 私達はあなた達みたいに若くありません。どうしても嫌なら、それでもかまいません。

ネロ:

 う~ん、どうなんだろう?

ダンガ:

 いいんじゃねぇか?入れてやって。

フィー:

 そりゃ、人数は多くてもいいけど…

ダンガ:

 バッカだなぁ。人数が多いと楽になる。それに、

 この筋書きでは、入れる事を拒絶できないらしい。つまり、入る事は決定済みの

ネロ:

 今の、いったい…

チェリー:

 ともかく、一緒に行った方がいいのね。それじゃ、よろしくね。

セリウス:

 世話かけるな。

 

 

* 44時間経過後

 目の前に、小さな悪魔が現れた!

チェリー:

 これ、デーモンの子供じゃない?

クレアー:

 デーモンはたいへん凶悪な種族ですよね?もしかして、私達を狙っているのでしょうか?

 

 小悪魔は、襲いかかってきた!

ダンガ:

 なんだ?ちっとも痛くないじゃねぇか?

ネロ:

 他に何かして来る気配もなさそうだよ。

フィー:

 えいっ!

 小悪魔は一撃で倒れた…

 

フィー:

 ずいぶん貧弱だね。峯撃ち程度だったんだけど。

エクール:

 でもいったいなぜ、私達の前に出てきたのかしら?

セリウス:

 それにしてもこの悪魔、少しは忍耐力があるようだぞ。

ダンガ:

 確かに、まだピクピク動いてるな。でも、いつ消えてもおかしくないぞ。

チェリー:

 私、話してみようか?

エクール:

 えっ、話、通じるのかなぁ?

チェリー:

 大丈夫。これがデーモンだったらね。

セリウス:

 そんな事をして大丈夫だろうか?チェリー。まぁ尤も、何か起きてもその様子では何とでもなるだろうな。

クレアー:

 成熟したデーモンが近くにいないとも限りません。周囲には気をつけていないと。

 

チェリー:

 ふ~ん、なぁるほどねぇ。

ダンガ:

 わかったのか?

チェリー:

 この子、仲間に捨てられたんだってさ。

エクール:

 す 捨てられた?

ネロ:

 デーモンって悪魔でしょう?群れで行動しているようには思えないけどなぁ。

チェリー:

 この子、成長が遅かった事を理由に、捨てられたんだって。で、いつか復讐するらしいわよ。

クレアー:

 悪魔の世界でも、いろいろあるんですね。

ダンガ:

 ほぉ、悪魔が悪魔に復讐か。そいつは面白い話だなぁ。

 

チェリー:

 ネロ。この子、私達と一緒に旅したがってるみたいよ。連れて行かない?

ネロ:

 あ 悪魔を?

エクール:

 う~ん、それって、凄く不満だなぁ。今は子供でも、成長したら凶暴なデーモンでしょう?私達、餌にされちゃうかもしれないじゃないのよ。

フィー:

 確かに、先の事を考えると、厳しいね。

 

 小悪魔が、ネロの下に歩み寄ってきた…

ネロ:

 何だか、連れて行かないと、何かやりそうな感じだなぁ。

エクール:

 それ以上近づくと、本当に消すよ!

チェリー:

 ごめんね。私達は、あなたを受け入れる事はできないわ。悪く思わないで。

ダンガ:

 なぁ、どうせなら連れて行かないか?コイツを。

エクール:

 どうしたの?いきなり。

ダンガ:

 コイツを切っても仕方ねぇだろ?そう思わないか?

エクール:

 そ そりゃ、確かに、切るほどの物でもないけどさ。でも、将来が…

ダンガ:

 将来っていつだよ?

エクール:

 え、いや、だから…

ダンガ:

 お前、まだ学生だから習ってないかもしれないが、モンスターとそうでない物っているだろ?

ネロ:

 モンスター…

フィー:

 確かに、何かに害を与えるものをモンスターだと言っているよね。

エクール:

 って、さっき思いっきりあなた噛まれてたじゃないの。

ダンガ:

 アレが牙か?とてもデーモンの牙とは思えなかったが?

クレアー:

 確かに、デーモン全てがモンスターだと言うのは、おかしな話ね。エクール、連れて行ってみましょう?

エクール:

 …

フィー:

 どうする、エクール…

エクール:

 わかったわ。けど、一つだけ条件がある。それだけは聞いて欲しい。

ネロ:

 僕らと一緒に来るからには、仲間を傷つける事はしない事。したら、僕らは君を切る。

エクール:

 もう、ネロ。人の台詞勝手に盗まないでよ。私から言わないと、意味ないじゃないのよ。

セリウス:

 ともかく、これで8人か。賑やかな旅になるといいな。

 

チェリー:

 この子、前まではリドルという名前で呼ばれてたらしいよ。

フィー:

 それじゃ、リドルと呼ぶのがいいんだろうね。

セリウス:

 少なくとも、ベビーデーモンとか呼ぶよりは、ずっとマシな印象だな。そう呼ぼう。


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