* 第21章 生命の魔法主

 ※ このコンテンツは、極度のネタバレを含んでいます。なので閲覧をされる方は、ストーリーを一度は味わって下さい。


* 雪原の洞窟最奥部にて

ネロ:

 ここが一番奥か…

ダンガ:

 特にこれといったものは見当たらないな。

セリウス:

 意外と期待外れだったな。

エクール:

 アレ?チェリーちゃん、どうしたの?

チェリー:

 ココ… まさか…

ネロ:

 ここが、どうかしたのかい?

 

クレアー:

 何!

セリウス:

 どうした!クレアー!

ダンガ:

 今、すげぇ痛そうな音したな。

クレアー:

 痛い…

セリウス:

 気配を感じない… 今のは、モンスターのイタズラか?

フィー:

 全く気づかなかった。ブラックボウルだろうか?

ダンガ:

 ぐっ…

ネロ:

 ダンガさん、しっかり!

ダンガ:

 今、何かが俺にぶつかってきた…

エクール:

 単なるモンスターのイタズラでもないのかなぁ?

チェリー:

 みんな、落ち着いて。

セリウス:

 これが落ち着いていられると思うのか?チェリー。

ネロ:

 そうだよ。二人も傷を負った仲間がいるのに、気配も何もないなんて、おかしいよ。

チェリー:

 だから、一度落ち着いて。下手に動くと、かえって危険よ。

フィー:

 チェリー。どういう事?

クレアー:

 人の動きを感知して、襲って来る魔物がいるという事でしょうか?

ネロ:

 ってそれじゃ、僕らずっと動けないよ。どうしよう…

チェリー:

 落ち着いて。あたし、何とかするから。

 えいっ!

 

???:

 ふ~ん、やるじゃない。

ネロ:

 今の声は、いったい…

チェリー:

 あたし達は、敵意は持っていない。だから、姿を現して!

ダンガ:

 お 女だと!?

クレアー:

 あなた、いったい何者なのですか?

 

???:

 私は昔、無力の精と呼ばれていた者…

フィー:

 なんだって!

ネロ:

 無力の精!

エクール:

 あなたが?

無力の精:

 あなた達、本当に敵意がないなら、その上から離れなさい。

ダンガ:

 その上?この石版みたいなのか?

無力の精:

 急に手をかけたのは謝る。これは、世界の力を保つ石。下手をすれば、全ての存在が抹消される。

クレアー:

 無力の精は確か、物体の存在を司るという話を聞いた事があります。ですが、実体はその石版だったのですか?

無力の精:

 そういう事にしておきましょう。私は、それを守る事で、この世のバランスを保つのが使命。だから、それを他のものに犯されてはならないの。

ネロ:

 そうだったんですか?僕ら、ぜんぜん知りませんでした。

無力の精:

 普通なら、知らなくてもいい事。むしろ、犠牲者を出したくないから、知られる事は望まない。

ダンガ:

 なぁるほど。そりゃ、失礼したな。

エクール:

 ところで、無力の精って、何でそんなに動きが速いの?ぜんぜんわからなかったわ。

チェリー:

 確かに速いわね。また、存在を司るから、自らの存在を空気と同化する事も可能なの。

セリウス:

 そうか。そりゃ見えないな。

ネロ:

 質量保存の法則も滅茶苦茶だね。

フィー:

 ネロ。魔法の世界でそれを言っても仕方ないよ。

ダンガ:

 じゃ、俺たちは帰るぜ。ここにいても仕方ない事は十分にわかったんだ。

 

* リーフと対面していない場合

ネロ:

 ちょっと待って、ダンガさん。

無力の精:

 ネロ。あなた、魔法が使いたくて、ここまで来たなんて思ってるでしょ?

エクール:

 そっか。無の魔法主様だから、ネロ、もしかしたら何とかなるかもしれないわね。

ネロ:

 そうなんです。僕、魔法は使えるのでしょうか?

無力の精:

 ネロ。あなたには、私の持つ力を使う事はできません。

ネロ:

 えっ!

無力の精:

 あなたには、私の力と反射する最大の力がある。もし、私の力を身に付けようとすると、確実に命を失う。

ネロ:

 最大の力?

フィー:

 無の力は、誰もが使えると聞いた事はありますが、それではないとなると、いったいどんな力ですか?

無力の精:

 それは、私が答えるまでもない。ネロ、答えはあなた自身が見つけるの。

チェリー:

 んじゃぁ結局、ネロは魔法は使えるの?使えないの?

無力の精:

 使えるようになります。それも、あと少しで。

エクール:

 無力の精様。こんな事言うのもなんですが、もうその台詞、聞き飽きたの。もっと具体的に説明して。

無力の精:

 それはできない。私が答えを言うと、ネロは不幸になるかもしれないから。

フィー:

 ネロが、不幸になるんですか?なぜ?

無力の精:

 ネロの持つ力はあまりにも巨大過ぎるから。だから、自分でその鍵を見つけないと、その力は暴走する。

ダンガ:

 んだよ、力が暴走だと。魔法が、勝手に肉体を洗脳するとでも言うのか?

無力の精:

 そういう事になります。

ネロ:

 僕に、そんな力が…

エクール:

 う~ん、納得しにくいけど、ともかく核心がわかったのね。

ネロ:

 うん…

セリウス:

 ネロ君?まさか、不安になったのかな?

チェリー:

 じゃ、とりあえず深緑の森に行って、安全に答えを探しましょ。

ダンガ:

 そうだな。もともとそのためにこの雪原に来たんだ。

 

* リーフと対面している場合

無力の精:

 ネロ。そこでじっとしてて。

ネロ:

 えっ?じっと?

無力の精:

 ウィブルが私と話したがってる。

フィー:

 ウィブル?生命の魔法主、ウィブル?

セリウス:

 確か、深緑の森で話は聞いたが…

 

インズ:

 久しぶりね、ウィブル。

ウィブル:

 インズ… お前より先に、私が滅ぶとはな…

インズ:

 そして、あなたはこの子にひっそりと隠れていたのね。

 あなたを求めているものが今もいるんでしょう?そのために、彼はそんな運命を背負っている。

ウィブル:

 そうだ。彼が生まれたおかげで、私はかろうじて、世に存在を止めた…

そして、お前の言う通りの事が起こったようだ…

インズ:

 あなたは彼を不幸にした。彼の本来の魔法を破壊し、おまけに命を危険にさらした。それはわかっているわね。

ウィブル:

 あぁ。だから、彼のために、尽くすつもりだ。それが、我に存在を与えてくれた者への誓いだからな。

インズ:

 もう一つ。あなたは決して、自分の意思で彼を動かしてはならない。たとえ、彼があなたを拒絶しようと…

ウィブル:

 そうだな。もし拒絶すれば、静かに実を消そう。その時は、お前と会う事もなくなるだろう…

インズ:

 もう会う事はないと思ってたけど、話せてよかった。

ウィブル:

 彼らがここに来て、お前と会ったのは、おそらく縁があったのかもしれないな。

 さて、もうそろそろ、彼を開放してくれ。私の力を失っている状態では、彼は非常に危険だ。

 

エクール:

 ネロ、しっかり…

ネロ:

 ぼ 僕、いったい…

無力の精:

 ネロ。ありがとう。久しぶりに、ウィブルと会えた。

 さぁ。ここで長いはしていられない。わかっているわね。

セリウス:

 そうだな。ネロ君。最後の戦いに行こう。

ネロ:

 はい。ありがとうございます。

* 生命の杖を受け取る

無力の精:

 そうだ。せっかくだから、私がウィブルから預かった物をあげる。この杖は、あなたならきっと使えるはず。

 生命の杖をもらった。


  第22章 砦
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