※ このコンテンツは、極度のネタバレを含んでいます。なので閲覧をされる方は、ストーリーを一度は味わって下さい。
こうして、全ての戦いが終わった…
人間と魔族との最後の戦いが…
ネロ:
みんな… やったね…
ダンガ:
チックショウ。あちこち痛むぜ。
エクール:
でもこれで、魔族の野望は消えたのね。
セリウス:
そこで気絶している者がいるが、おそらくこの光景を見て沈黙になるだろうな。
ダンガ:
ハハハッ。そいつは愉快な話だぜ。さっさと起こしてその光景ってやつを拝んでみたいな。
フィー:
アレ?チェリーは?
エクール:
そういえば、気配を感じない…
ネロ:
さっきまで一緒にいたよね?
ダンガ:
全く気配なくなったなぁ。まさか、こんな時にかくれんぼか?
フィー:
ちょっと待って。気配どころか、魔法的な気も感じない…
クレアー:
そういえば、魔力を感じないですね。
ダンガ:
待てよ。誰か、魔法使ってみろよ。
エクール:
で 出ない…
セリウス:
魔法が、出ないだと…
フィー:
まさか、あの戦いの影響で、世界から魔法が消滅したのだろうか?
ネロ:
そんな… じゃぁ、妖精だったチェリーは…
エクール:
そ そんな… そんなのないよ…
ダンガ:
バカな… 本当に、魔法は消えたのか!
セリウス:
ダメだ。魔法酒を飲んだが、全く反応ない。
フィー:
それじゃ、そこに寝ている上官に聞いてみようよ。
ダンガ:
なるほど。魔族なら、ちょこっとは何か知ってるだろうな。
上官:
魔法は消えたよ、諸君。
ネロ:
えっ、起きてたんですか?
上官:
お前達、何と言う事をしたんだ。魔法の力をかき集め、目覚めた主を倒すとは…
ダンガ:
お前達がそんな事するからじゃねぇかよ。
エクール:
ねぇ、上官。もう、魔法は一切使えないの?
上官:
いないだろう。仮にいたとしても、それらはネロの力のみかもしれない…
ネロ:
そんな事が起こるなんて…
クレアー:
チェリーさんはもしかして、その結末をわかっていながら、他の生物を守るため、こうして戦ったのでしょうか?
フィー:
ごめん… チェリー。自分達は、間違った事をしていたのかもしれない…
エクール:
フィー!何言ってるのよ!
フィー:
えっ、その…
ネロ:
…
フィー:
ごめん、エクール。
エクール:
フィーはごめんで済むかもしれないけどね、私はそんなんじゃないのよ。
ダンガ:
だぁーっ、落ち着けよエクール。確信のない事で錯乱してるくらいなら、探すとかしたらどうだ!
エクール:
どこを探せばいいのよ。教えてよ、ダンガさん!
クレアー:
そうとう、つらいようですね。
ネロ:
チェリー…
セリウス:
今、そこで何かごそごそ動いていなかったか?
フィー:
そのがれき?
セリウス:
ダンガさん、ネロ君。どけてみようと思うから、手伝ってくれ。
ダンガ:
なんだ、そんな物をどけて、何するってんだ?
エクール:
あっ!
ネロ:
そ そこだったのか…
チェリー:
た 助かった… 逃げ遅れちゃって、埋まっちゃったの。
ダンガ:
んだよ、そりゃ。だったら、助けての一声でも出したらどうだよ。お前のせいで、エクールちゃんがいかれちまってたんだぜ。
チェリー:
だ だって、気絶しちゃってたんだもん。
アレ?エクール、どうしたの?
エクール:
あなた、チェリーよね?
チェリー:
えっ、そうだけど…
エクール:
で でも、魔法が消えたから、妖精って消えちゃうんじゃ…
チェリー:
そんな話、聞いた事ないわ。勘違いじゃないの?
フィー:
教科書の間違い… だったのだろうか…
セリウス:
チェリー。本当に、魔法は消えてしまったのか?
チェリー:
えっ、何で?
クレアー:
あの後あなたが出てくるまで、魔法が消えたと上官が言っていました。
チェリー:
そりゃないわよ。だって、魔法が消えたら、みぃんな影も形もなくなっちゃうじゃん。
上官:
なに!どういう事だ?
チェリー:
全てのものは、生・死・無・時の4つの力の上に成り立つでしょ?つまり、全部消えれば、世界自体が消えちゃうでしょ?
上官:
何だと!
ダンガ:
って事は逆を返せば、世界の魔法の力を消して、自分達だけの理想郷を作った時には、世界自体がなくって、この砦が宇宙をふわふわというわけか。
セリウス:
この砦も形を保てないんじゃないかなぁ?
上官:
そ そんな… 信じられん。
クレアー:
つまり、あなた方は、そのような世界を作ろうと、一生懸命だったんですね。
エクール:
どう?上官。そんな世界、望むの?
上官:
そ そのような事があっては、我々は…
フィー:
これに懲りて、二度とこんな事が起こらないといいね。
上官:
クッ。世の中、思い通りにならないと言っていた自分が、まさかその事を証明させられるとは…
ネロ:
そういえばチェリー。エクール達が魔法が使えないのは、なぜなんだい?
チェリー:
多分、力が弱まったせいじゃないかなぁ。その内、世界が安定して元に戻ると思うよ。
セリウス:
魔法が弱まったのでは、しばらくは戦争も無理そうだな。
ダンガ:
なるほど。裏倉庫撲滅じゃ、話にならねぇな。
ネロ:
そろそろ帰ろうよ。こうして話してるけど、肉体的には限界が来てると思うし。
エクール:
な 何だか、瞬間的に力が…
フィー:
みんな、無理し過ぎたんだね。
ネロ:
ご ごめん…
こうして、みんなで砦を去った…
その後、それぞれのいるべき場所へ帰る事にした…
つもりだったんだけど…
* 魔法学園にて
ダンガ:
おいおい、何だよ、また遅刻しやがって。
エクール:
そ そんな事言われてもぉ~、ここ最近眠いんだって。
フィー:
そういえば、ネロは?
エクール:
あぁ、置いて来ちゃった。
ダンガ:
何だよ、冷たいじゃねぇか。
エクール:
い いや、その…
* ネロが走り込んできて
ネロ:
わっ!
ダンガ:
お前達、なめてんじゃねぇぞ。そんな調子じゃ勉強もろくにできねぇぞ。わかってんのか!
フィー:
もう、勉強する事ないと思う…
ダンガ:
何言ってるんだ。お前達、年齢わかってんのか?まだ大人にもなってねぇんだぜ。
ネロ:
ダンガさんだって、美人の前だと子供同然じゃないですか。
ダンガ:
う うるせぇ!このガキが。
エクール:
美人だったら、さっきいたわよ。ねぇ、フィー。
フィー:
…
ダンガ:
まぁいいさ。ともかく、あと一人… アイツは気まぐれだからなぁ。
ネロ:
チェリーは子供じゃないような…
フィー:
そういえば、リドルはどうしたの?
ネロ:
それが、まだ認めてもらえないらしいから、チェリーと特訓してるみたい。
エクール:
き 厳しいわねぇ。悪魔の世界も。
* チェリー入ってきて
ダンガ:
な なにぃ~!
チェリー:
フフッ。待たせて、ご。め。ん。ね♪
ダンガ:
わ わ わ わ わ わかった。い い いいから、早くせ 席に着け。
エクール:
はぁ~。ダンガさん、少しは慣れないのかなぁ?これで4度目よねぇ。
チェリー:
フフッ。無理よ、多分。半分魔法使ってるし。
ネロ:
でも何だか、日に日に気合が入っているような… 僕、つい見とれてしまってたなぁ…
エクール:
ネロ、大丈夫よ。魔法なんだし。
チェリー:
じゃぁ、授業お願いしまぁ~す。
ちなみに、セリウス達は、新たな地を求めて旅に出たみたい…
おかげで、僕ら4人をダンガさんが教える事になってしまった…
ありえない話だと思ったし、たまにけっこう乱暴なんだけど、
とても面白かったし、さすが大人だと少なくとも僕は思えた…
あと、あの上官は、そんな僕らを見張っているんだか、
未だに学園に居座っている…
ともかく、僕は魔法は使わなくなった。
でも、それでもかまわない。
僕らは、仲間というすばらしい魔法を手に入れたのだから…
魔法物語 『ALTERNATIVE』
The End