* 第12章 幽霊船

 ※ このコンテンツは、極度のネタバレを含んでいます。なので閲覧をされる方は、ストーリーを一度は味わって下さい。


* ファンムー港にて

旅人 D:(昼)

 ねぇねぇ。世界には、幽霊船って呼ばれる船があるらしいわよ。夜になると動き出して、海の上をさ迷うの。

 私、物凄く興味あるわぁ。体が震えるほど怖いの、たまらなく好きなのよ~。

 

旅人 D:(夜)

 ねぇ、見て。あの船、今にも動きそうじゃない?

 もしアレが幽霊船だったら、ぜひ乗ってみたいわぁ。

ネロ:

 ぼ ぼくはいいや。正直、怖いのはちょっと苦手なんです。

 

* 昼に船に乗ろうとして

船長:

 おや?君達、船に乗るのかな?

 すまないが、最近は海が荒れているようだ。スウィットまではけっこうかかるから、こんな天候では船は出せないんだよ。

ネロ:

 えぇ、あまり荒れてないように見えますけど?

船長:

 君はまだ幼いから、よく知らないだけだよ。不思議と夜はあまり荒れてないから、無理やり出すなら夜だろうが、とてもそんな事はできない。

旅人 D:

 えぇ、せっかくだから、夜に出して下さいよぉ~。夜の船、乗ってみたいんですって。

船長:

 そ そんな事したら、この町の信用がなくなるじゃないか。幽霊船襲来とか言ってさぁ。

 

* 夜に船に乗ろうとして

船長:

 いらっしゃぁい。君達、船に乗るんだね。そうだろう?そう顔に書いてあるぞ。

ネロ:

 え?で でも、夜は船が出ないって…

船長:

 そんな事言った記憶はないなぁ。ともかく、乗るなら今の内だよ。

エクール:

 ネロ、どうする?

ダンガ:

 乗っちまおうぜ、ネロ。最近の様子じゃ、簡単にはスウィットに行けるって感じでもなさそうだ。

 

ネロ:

 じゃ、48プルです。

船長:

 あぁ、今はお金いらないよ。何人でも0プルさ。さぁ、乗った乗った。

ダンガ:

 おぉ、そいつはいいじゃないか。無料でスウィットは助かる。

 

 

* 船の寝室にて

ネロ:

 アレレ?

フィー:

 どうしたんだい?

ネロ:

 エンジン音が… 消えた…

エクール:

 ん?夜だからじゃないの?

フィー:

 確かに、聞こえない… どうしたのだろうか?

ネロ:

 どうしたのかなぁ?

エクール:

 今の!何…

フィー:

 笑い声?

エクール:

 赤ん坊なんて、乗ってた?

ダンガ:

 おい、ちょっとヤバい知らせがあるぜ!

ネロ:

 ヤバい、情報?

ダンガ:

 そうさ。この船、海上で止まっているぜ。

フィー:

 何だって!

ダンガ:

 それだけじゃねぇ。明らかに、怪しい物がいた。

エクール:

 え えぇ~!あ や し い も のぉ~!

フィー:

 もしかしてこの船…

ネロ:

 ファンムーの人が言ってた幽霊船かなぁ?

エクール:

 ゆ 幽霊船!それ、本当なの?

ダンガ:

 まだ決まったわけじゃねぇが、おそらくそんな部類じゃねぇのか?ともかく、脱出手段を探した方がいいかもしれねぇぞ。

フィー:

 じゃぁ、船長は幽霊の使いもしくは、正体だったんだね。

エクール:

 なぁるほど。だから、夜に船が出て、おまけに0プルだったのね。

ネロ:

 納得するのはいいけど、どうして僕らを誘ったんだろうね?

フィー:

 脅かして遊びたいとは思えないよね。

ダンガ:

 実はじわじわと俺たちを呪って、最終的には魂を…

エクール:

 た ま し いぃ~!

ネロ:

 ともかく、脱出しよう。船長がモンスターだったら、倒せばきっと何とかなるよ。

 

* 幽霊船 左の道の本が散乱している部屋にて

 ネロ達は、右から順に本を立てていった…

恨の本

死の本

幸の本

呪の本

呪の本

恨の本

死の本

 

* 何も起こらなかった時

 本を一列に並べてみた…

 

* 何かが起こった時

 どこかで変な音がした…

 

 

* 幽霊船 甲板付近の窓部屋にて

ネロ:

 あそこに、誰かいるよ…

ダンガ:

 ゾンビじゃねぇのか?

フィー:

 アレ、女性?

エクール:

 ずっと外見てるけど、もしかしてこっち振り返ったりして…

窓を見ている女:

 あ、あなた達、乗ってたんだ。

ネロ:

 ひえぇ!出た!

窓を見ている女:

 あ、驚かなくてもいいよ。私、あなた達の事、よく覚えてるわよ。

フィー:

 もしかしてこの人、ファンムー港にいた…

旅人 D:

 そう。夜に船が出るって聞いて、慌てて飛び乗ったのよ。念願の幽霊船に乗れるなんて、物すっごくうれしい~♪

ダンガ:

 ったく、どこまで暢気なんだよ。こっちが必死こいて入り口を開けてみればさぁ。

旅人 D:

 固い事は気にしないで。こんなに体が震えるほど怖さを感じれて、おまけにしっかりとモンスターまでいて、海を漂うなんて…

 これこそ、私が求めていた最高の幸せよ♪♪

エクール:

 だ ダメだ、この人。ぜんぜんついていけない…

フィー:

 と ところで、どうやって戻るつもりなんですか?

旅人 D:

 あぁ、そういえば、考えてなかったわねぇ。まぁ、朝になれば、戻れるんじゃないの?

ネロ:

 ここ、時間がおかしくなっていて、夜しかないみたいですよ?

旅人 D:

 あら、それホントなの?

ダンガ:

 ともかく、船長を何とかしないと、俺たちもアンタも、出られない事になると思うぞ。

旅人 D:

 ふ~ん。それじゃ、もう少しここで楽しみを満喫していようかしら。何度も乗れるもんじゃないしね♪

ネロ:

 こ この人、凄いなぁ~。

エクール:

 私たち、もしかして恐れ過ぎなのかも…

旅人 D:

 あら、あなた達は普通なんじゃない?私、こういうの大好きなだけだから。

 あ、そうだわ。これ、あなた達にわけてあげるよ。もし船長に会うんだったら、一緒に飲んだら?

 

 ライフボトルを3個もらった!

 

 

* 幽霊船 甲板にて

エクール:

 ここが、甲板ね。

ダンガ:

 おい!船長。どこへ行った!

???:

 やぁやぁ諸君。

ネロ:

 出た!モンスター!

デビルスキッパー:

 おやおや?まだ出てきただけでモンスター扱いとは、生きた人の考えとは困ったものだなぁ。

フィー:

 私達を幽霊船に誘い込んで、いったい何をするつもりなんですか?

デビルスキッパー:

 君達、自らの意思で我が手の上にやって来たではないか。私が今から行うショーのために。

ダンガ:

 ほぉ、ショーはわかったが、終わったらとっととスウィットへ連れて行ってくれよ。

ネロ:

 そうです。僕ら、スウィットへ船を出すからと言うわけで、ここに来たんです。

デビルスキッパー:

 そんな事はできないなぁ。世が空けてしまうと、せっかくの船も消えてしまうし、君達の乗船を大歓迎してくれている者達に悪いではないか。

エクール:

 歓迎?

デビルスキッパー:

 そうだとも。君達、ここに来る途中に会っただろう?みんな、みぃんな楽しい楽しいって言っていたじゃないか。

フィー:

 それって、ゾンビや悪魔や亡霊達…

エクール:

 ぜ ぜんぜん楽しくないじゃないの!

ダンガ:

 結局、あんたには悪いが、成仏してもらうぜ!

デビルスキッパー:

 おやおや?それでもかまわないが、君達そんな事をしていいのかなぁ?

ネロ:

 いいのかなぁ?意味がさっぱり…

デビルスキッパー:

 この船は私の魔力で存在しているのだよ。つまり、私が消えたら君達は…

エクール:

 海の中へ ポチャン!

ダンガ:

 かまいやしねぇさ。幸いに、近くに島もあるんだ。

デビルスキッパー:

 う~ん。やっぱり生きた人間の考える事はわからないなぁ。まぁでも、私は船を守らないといけない。君達、わかってくれるかい?

 

* デビルスキッパーを倒して

ネロ:

 船が、沈んでいく…

デビルスキッパー:

 ネロ君。君達にはかなわないや。負けたよ。

 今から、船をあの島に付ける。そこで降りなさい。

エクール:

 どういう事?

デビルスキッパー:

 私を生かしてくれているシャド様のご命令なのだよ。逆らうなんてできない。

フィー:

 シャド?闇の魔法主、シャド?

デビルスキッパー:

 誰か、中に残っているのがいるようだね。どうしようかなぁ?

エクール:

 あっ…

ダンガ:

 あんなのほっとけばどうだ?何があってもひょっこり出て来そうだしよ。

ネロ:

 そ それはひどいよ。一応、人なんだから、連れて来ようよ。

フィー:

 もう来たよ。

旅人 D:

 キャーッ!デビルスキッパーじゃない!超感激♪

デビルスキッパー:

 か か 感激!

旅人 D:

 ここ、やっぱり本物の幽霊船だったんだぁ。それも、数十年前に沈んだっていう、悲劇の船の。

 これ、夢でもいいわ。私も一緒に連れてってぇ~♪

デビルスキッパー:

 や やっぱり生きた人間の考えはわからぁぁぁぁぁん

ネロ:

 (この人、いったい…)

 

 こうして、ネロ達は幽霊船を脱出し、ブリムス島へと辿り着いた…


  第13章 漂着
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