* 第10章 月の塔

 ※ このコンテンツは、極度のネタバレを含んでいます。なので閲覧をされる方は、ストーリーを一度は味わって下さい。


* 月の塔入り口にて

ネロ:

 ここが、月の塔か…

フィー:

 ここから見た限り、7階が最上階だね。

エクール:

 少し不気味ね。

ネロ:

 ここに、月の魔法主がいるのか…

エクール:

 よしっ。暗くなる前に、早く行くわよ。

 

* 夜の場合

フィー:

 もう、夜だよ?

ダンガ:

 そうだな。思いっきり暗くなってるぜ。

エクール:

 い 今のは気分よ、き ぶ ん。わかる?

ネロ:

 気分って言われてもなぁ。明らかにずれてたよ、今の。

フィー:

 で、結局今から行くの?

 

* 月の塔1階でオーブを壊さずに扉を開けようとして

エクール:

 な 何!今の!

フィー:

 この入り口、魔法がかけられているのかもしれない。

エクール:

 えぇっと… でもこの辺、私達しかいないよ。

フィー:

 誰かがこの扉の向こうから、かけているのだろうか…

ネロ:

 そこにあるオーブ、何か怪しいと思わない?

フィー:

 あっ、本当だ。よく見えなかったから、気づかなかった。

エクール:

 じゃ、壊してみようよ。

 

 

* 月の塔の最上階にて

ネロ:

 こ ここが、塔の最上階か。

エクール:

 ひ ひぇぇ!た 高い…

フィー」

 あっ、エクール。下を見てはダメ。

エクール:

 も もう遅いよぉ~。足がすくんで動けない。

ダンガ:

 おや?エクールちゃん、もしかしてアンタ、高所恐怖症か?

エクール:

 ちゃ ちゃん付けしないでよぉ~。

ネロ:

 それにしても、凄く高いね。

フィー:

 で、魔法主は?

ダンガ:

 そういえば、どこにいるんだろうなぁ?

ネロ:

 もしかして、この時間は出ないとか?

フィー:

 時間によって現れたりするなら、1階にクリスタルオーブがある必要が…

ダンガ:

 まっ、呼んで飛び出て来るわけでもなさそうだし、少し待ってみようぜ。どうせ、一人はしばらくもじもじしてるんだし。

エクール:

 そ そ そ そ そんな こ こ 事い い 言われてもさ さぁ~!

ネロ:

 今、何か飛んでこなかった?

ダンガ:

 すまん。そっち見てなかったから、ぜんぜん気づかなかったが。

フィー:

 こっちも。

ネロ:

 うわぁ!

フィー:

 ネロ、大丈夫?

ネロ:

 大丈夫、とりあえず掠り傷程度。

ダンガ:

 今の、いったい何だったんだ?

フィー:

 エクール、何か感じる?

エクール:

 えっえ?

 (アレは…)

ダンガ:

 どうした、エクールちゃん?急にだんまりしたぞ?

エクール:

 今の、魔法で動いてた。

フィー:

 そのようだね。さすがエクール。

ネロ:

 そうなの?

ダンガ:

 エクールちゃん、もしかして、予知能力でもあるのか?

エクール:

 いや、そういうのじゃないけど、強い魔力を感じるよ。こっちに近づいてきてる。

フィー:

 まさか、魔法主はすぐ近くにいて、すでに私達は試されている?

ダンガ:

 なぁるほど。そういう事なら話は早い。今度きたら、倒すつもりでいくぜ。

ネロ:

 ダンガさん、大丈夫ですか?

フィー:

 でも、あんなに速いのでは、魔法剣を振るったところで追いつかないよ。どうする?

エクール:

 大丈夫。もうすぐこっちに来るよ。

 

* ミレムテイラを倒して

ネロ:

 何とかなったね。

???:

 見事でした。

フィー:

 やっぱり試されていたんだね。

ダンガ:

 うっひょぉ~。すっげぇ美人だぁ♪

月の魔法主 ムング:

 ネロ、エクール、フィー、ダンガ。よくここまで来ましたね。

ネロ:

 ムング様。今のモンスターは、やはり…

月の魔法主 ムング:

 そうです。あなた方が十分な力を持っているか、試させてもらいました。

エクール:

 その見た目に関わらず、やる事はしっかりしてるわねぇ。

月の魔法主 ムング:

 エクールよ。優しさと言うのは、決して親切だけとは言えません。

ネロ:

 あららぁ。教官そっくり。

エクール:

 ちょ ちょっと。笑ってないで、少しはフォローしてよぉ~。

フィー:

 フォローする予知ないよ。

ネロ:

 ムング様。それで、僕らの能力は認めていただけましたか?

月の魔法主 ムング:

 もちろんです。あなた方に、今から力を授けましょう。

 

 月の魔法主 ムングの力を得た!

ネロ:

 よし。今度こそ…

月の魔法主 ムング:

 ネロ。私の力では、あなたに魔法を与える事はできません。

ネロ:

 そ そんなぁ~。

ダンガ:

 まぁ、心配すんなって。まだ4種類も残ってるじゃねぇか。それに、魔法主に会えただけ喜んだらどうだ?

ネロ:

 そ そりゃそうだけど…

月の魔法主 ムング:

 あなた方は、半分の魔法を会得しました。時期に中核魔法を会得できるでしょう。

フィー:

 それ、本当ですか?

エクール:

 えぇっと、中核魔法って、何だっけ?

ネロ:

 今使える魔法の、さらに上位のものだよ。つまり、レパートリが増えるって事。

フィー:

 エクール。もう少し勉強しておけばよかったね。

エクール:

 う うるさいわねぇ。何で私って、みんなからいじられなきゃいけないのよ。

ダンガ:

 誰もみんないじってねぇだろうが。まぁともかく、ムングさんに感謝しようぜ。

 で、もしよかったらムングさん。俺、あんたに魅了されちまったみたいなんだ。どうにか俺のハートも癒して…

 き 効いたぁぁ

月の魔法主 ムング:

 では、あなた方に光輝が訪れる事を祈ります。

 

 ムングは姿を消した…

フィー:

 今の、レイブムーンだよね…

ネロ:

 さすが魔法主様だ。物凄く強いんだなぁ。

 

* 月の塔の出口にて

ダンガ:

 あいててててて。アレは効いたなぁ。

フィー:

 さぁ、次は炎の谷が近いよ。

ネロ:

 でもそこまで、スールがあるし、ジャングルも通らないといけないんだよねぇ。

エクール:

 高い所じゃないだけマシよ。ほんと、あそこには余り行きたくないわ。

フィー:

 何だか、不思議な空気…

ダンガ:

 おい、こりゃまずいぞ!スリープウィンドだ!

ネロ:

 い いったいどこから?

エクール:

 わからない。でも、何だか眠い…

フィー:

ともかく、急いでここから離れないと…

ダンガ:

 おい、これ、だんだん強くなってねぇか!

エクール:

 もうダメ… ここで寝ようよ…

フィー:

 そんな事したら、何があるかわからないよ…

ダンガ:

 そうだぜ。誰かが俺たちに向かってまいてるんだ。いったいどこのどいつだ!

ネロ:

 だ ダメだ… もう全身に力が入らなくなってきた…

エクール:

 どこか、安全そうな所で寝ましょうよ… でないと、ここで寝たら…

フィー:

 エクール!しっかり…

ダンガ:

 くっ、ここまでか…

 おそらくこれだけの強さなら、モンスターすら寝てるに決まってる。万が一襲われても、誰かが生きてりゃ起きるぜ。

ネロ:

 うん… そう願った方がマシかも。もう、これ以上走れないよぉ~。

フィー:

 確かに、エクール、寝ちゃったから、置いていけないし、担ぐ気力もない… ここで運に任せよう…

 

* 1時間後…

ダンガ:

 んぐ…

 ここは、どこだ…

 どうやら、エクールちゃん達が近くにいるから、寝てただけらしいな…

フィー:

 ん んん…

 あっ、ダンガさん…

ダンガ:

 起きたか?

フィー:

 もしかしてここ、天国…

ダンガ:

 どうやら、天国でも地獄でもなさそうだ。1時間ほど寝てただけらしいぜ。

フィー:

 エクール、最初に寝たのに…

ダンガ:

 寝た時間はあまり関係ねぇよ。魔法で寝かされてるんだからな。

フィー:

 そういえば、ネロは?

エクール:

 ん?

ダンガ:

 そういえば、近くには見当たらないなぁ。

エクール:

 ここ、どこ?みんな… みんなは?

フィー:

 私達3人は、少なくとも大丈夫みたい。

エクール:

 アレレ?ネロは?

ダンガ:

 それが、俺達もわからねぇんだ。

フィー:

 一人でどこかへ行ったのだろうか?

ダンガ:

 そいつは無理があるぜ。アイツは俺より前に寝てたんだ。仮にたちの悪い夢遊病だとしても、そう遠くへは行けないだろうよ。

エクール:

 待って… 近くに、何かいる…

フィー:

 えいっ!

??:

 うわぁ!

ダンガ:

 ガキの声だ?

フィー:

 アレ、君は?

学生:

 ひ ひえぇ~!見つかった!

ダンガ:

 おい、あんた、何逃げてんだよ!

学生:

 いや、その…

エクール:

 この子、少し怪しくない?

ダンガ:

 お前、そんな好きがあるならまともに向かったらどうだ!

学生:

 こ 殺さないでくれぇ!

ダンガ:

 殺しはしねぇよ。ちょっと赤い十字のある所へ無料で連れて行くだけさ。

エクール:

 ちょっと、ダンガさん!赤い十字って…

フィー:

 病院… だね。

学生:

 や やっぱり殺すんじゃないかぁ!

ダンガ:

 ヘッヘッヘッヘッ!大丈夫だ。言う事をおとなしく聞いていれば、もっとマシな所へ連れていってやるぜ!

フィー:

 あの、ダンガさん… その笑い方はいくらなんでも…

学生:

 わ わかったから、そこから離れてくれよぉ!

ダンガ:

 お前、わかってねぇなぁ。こういう時は、用件を先に飲んで初めて離れるんだぜ。

エクール:

 君さ、どうしてここにいるの?

学生:

 ぼ 僕… 君達がそこに寝てて、怪しかったんで、ずっと見てたんだ。

ダンガ:

 んだよ。もっと期待できそうな事を言ってくれるかと思ったら、思いっきり気抜けしたじゃねぇか。

学生:

 だ だって、何かいぃっぱい大人の人が来て、すっごく注目されてたよ。

フィー:

 それ、本当?

学生:

 そう。初め一人だったけど、どんどん増えてさ、で一人を連れてって、帰っていっちゃったの。

エクール:

 何それ!

ダンガ:

 連れて行っただと!

フィー:

 その子、男の子だったよね?

学生:

 うん。おんなじような服の大人が来て、連れてったよ。ちょうど、どこかの魔法学園の先生っぽいの。

エクール:

 そんな!

ダンガ:

 で、お前は黙って見てたってわけか?

学生:

 だ だって、何だか怖かったんだもん。だから、ここでずっと見てた。

ダンガ:

 ふ~ん。まっ、仕方ねぇか。アレがお前の知り合いだったとしたら、俺はお前を死刑にするつもりだったが、簡便してやろう。

学生:

 しっ けっ いいぃぃ!

エクール:

 そういえばその大人の人、どこへ行ったのか知ってる?

学生:

 わかんないよ。学園に帰ったんじゃないの?

ダンガ:

 よっしゃ。それだけあれば十分だ。

フィー:

 ごめんね。さっきは襲ったりして…

学生:

 じゃ、僕、帰っていいの?

エクール:

 いいわ。でも、あまり怪しい所をこそこそ見てるだけじゃダメよ。でないと、またどこかで痛い目に会っても知らないからね。

学生:

 ハ ハイィッ!

 

 学生は逃げるように去っていった…

 

エクール:

 ネロ…

ダンガ:

 ったく、あんにゃろう。スリープウィンドなぞ使いやがって!正面から勝負しやがれってんだ!

フィー:

 とりあえず、学園の方に行こうよ。本当に、ネロが連れて行かれたのかどうかを知るために。

エクール:

 もちろんよ。チケットはこっちにあるから、急いで行きましょう。

フィー:

 にしても、どうしてネロを連れていったんだろう…

ダンガ:

 そういや、魔法学園の連中だったら、魔法が使えないネロをわざわざ連れていく必要ねぇよなぁ。その場で思いっきり魔法殺しが早いはずだ。

エクール:

 確かにそうだけど、結局は今は最悪の状態でしょ?もし、用があったとして、それが済んだら…

ダンガ:

 アンタの言う通りだな。一刻も早く、彼を救出するぜ!

フィー:

 学園にいる人は、おそらく自分達よりも強い力を持つ人が多いよ。ダンガさん、ぜひ力を貸して。

ダンガ:

 当たり前だ。あんな目に会わされて、タダで済むほど現実派甘くねぇってのを、俺がアイツラに叩き込んでやるさ!

 こうして、エクール達は、学園を目指していったのだった…


  第11章 危機
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