※ このコンテンツは、極度のネタバレを含んでいます。なので閲覧をされる方は、ストーリーを一度は味わって下さい。
* 炎の谷入り口にて
ダンガ:
ここが炎の谷か。
ネロ:
名前のわりには、普通の谷だね。
ダンガ:
名前の由来は、あくまでフレムがいるって事だけなんだろうな。だから、普通の谷でも「炎の谷」ってか?
チェリー:
いいえ、違うわ。ここは、本当にあちこち燃えている所があるの。
ネロ:
そうなの?
フィー:
化学反応が常に起きているようで、炎が消えないという話を聞いた事があるよ。
ダンガ:
ふ~ん。
チェリー:
アレレ?エクールちゃん、どうしたの?
エクール:
えっ、いや、その…
フィー:
あっ、そっか。谷だから、エクールにはつらいかもね。
ダンガ:
おいおい。ここまで来て、高いとここわぁ~い!なんて言えるとでも思ってるのか?
エクール:
そ そんな事言われてもぉ~。 高いの、やっぱりダメだってばぁ~。
チェリー:
へぇ~。人にもいろんなのがいるのねぇ。びっくりしちゃった。
フィー:
エクール。ここではエクールの持つ力が有効に活用できそうなんだ。だから、正直そんなんだと困るよ。
ネロ:
フィー、ダンガさん。少しエクールを攻め過ぎだよ。
ダンガ:
んだよ、ネロ。何が攻めてるって言うんだ?
ネロ:
じゃぁ、エクールにどうこう言ってるけど、結局どうするのさ?
フィー:
そ それは… 仲間だから、見捨てたりはできないけど…
ネロ:
全ての生き物には得意不得意が必ずある。二人だって、そうだし、もちろん僕もそうだよ。
エクール:
ネロ…
ネロ:
エクールは、たまたま高い所が苦手なんだ。僕なんか、魔法が使えないがために、みんなにもっと迷惑をかけていると思う。
ダンガ:
そ そうだな… 俺だって、魔法は得意でねぇな…
フィー:
自分も、苦手なものがある…
チェリー:
じゃ、ついでにあたしも、人間みたいな事できないし…
ネロ:
だから、みんな共存するんでしょう?互いの弱点を認め合い、補い合ってさ。
エクール:
ネロ、ごめんね。
私だって、わかってる。今は、ここで怯えている場合じゃないって。
フィー:
ごめん、エクール。つい、言い過ぎた。
エクール:
みんな、ごめんね。私、がんばるわ。だから、みんなも力を貸して。
ダンガ:
当たり前じゃねぇか。だからここまで来たんだ。
チェリー:
それじゃ、早く中へ行こうよ、ね。
ネロ:
うん。
* 炎の谷入り口付近の分岐路を直進しようとして
不思議な力に邪魔されて、先に進む事ができない…
エクール:
な 何コレ!痛い…
チェリー:
強い炎の力を感じる。どこかに、この力の源があるのかな?
フィー:
近くに、クリスタルオーブらしき物は見当たらないよ。もっと奥にあるのだろうか?
ネロ:
仕方ない。それじゃ、右の道へ行こうよ。
* 炎の谷中部の4つの分岐がある所にて
チェリー:
これ、どう見てもオーブじゃない?
フィー:
燃えてるから、炎か水で壊せるかなぁ?
* オーブ壊して
炎は消え、正面の道も通れるようになった!
エクール:
左右の気配、変わらないね。原点はもっと奥かなぁ?
* 炎の谷 最奥部にて
ネロ:
うわぁ、広い!
ダンガ:
ここが、一番奥だろうか?
エクール:
でも、前には炎があるだけねぇ。
フィー:
凄いよ。本当に燃えてる。炎の谷の不思議話は、本当だったんだね。
???:
よくぞここまで来た!
ダンガ:
おぉ!魔法主様のお出ましか。
炎の魔法主 フレム:
その通りだ。俺こそ、この谷を制する者、フレムだ。
ネロ:
(うわぁ、熱血的そう… きっと、血が濃いんだろうなぁ。)
炎の魔法主 フレム:
おや?その剣は!
チェリー:
あっ!
フィー:
(そうだった!あの魔法主は、武器を持った者を見ると、強制的に戦いを…)
炎の魔法主 フレム:
うっしゃぁぁぁ!燃ぉえて来たぜぇぇ!
ネロ:
あっ、ちょ ちょっと待って下さい!ぼ 僕ら、別に戦いは…
炎の魔法主 フレム:
何言うんだ。俺のハートを燃やすのは、熱い戦いさ。今回は骨のあるやつそうだな。思う存分楽しませてもらうぜぇ♪♪
* フレムの猛攻に耐えて
ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!
ネロ:
も 燃え尽きた!
エクール:
自分の熱で燃え尽きるのって、何だかなぁ…
フィー:
で、この後どうなるんだろう?
ネロ・エクール・ダンガ・チェリー:
あっ!
チェリー:
戻って来てくれないと、魔法主様の力、もらってないわよね?
ダンガ:
って言われても、どこに行っちまったんだ?
ネロ:
ふ 復活したぁ!
炎の魔法主 フレム:
ふぅ。ちょっと燃え過ぎちまったぜ。あんたら、やるじゃねぇか。
ダンガ:
アンタのお遊びには付き合ってやったぜ。今度は、俺達の用も聞け!
炎の魔法主 フレム:
俺の力を得たいんだな。そりゃかまわねぇさ。さぁ、これを受け取れ!
炎の魔法主 フレムの力を得た!
ダンガ:
よっしゃぁ!これで、俺はさらに上の力が使えるってわけだ。
フィー:
ネロ、炎でもないんだね。
エクール:
あと残ってるのは、水と木よね?
炎の魔法主 フレム:
さて、俺は消えるとしよう。また、どこかで熱いバトルをしてぇなぁ!
ネロ:
あ あの、待って下さい!
エクール:
に 逃げた?
チェリー:
こ 怖かった。あんなのがいたなんて…
エクール:
今までの中で、いっちばん性格が悪かったよ、アレ。
ダンガ:
確かに、前のシャドといい、あやつらは、どういう神経してんだろうなぁ。
ネロ:
僕、本当に魔法が使えるのだろうか…
フィー:
ネロ。落ち込まなくていいよ。他の魔法種も、少しずつ力が付いてきてるって言ってたし。
エクール:
少しずつって、いったいいつになるのよ!
チェリー:
エクールちゃん!落ち着いて!
ネロ:
ともかく、もう帰ろう。例のごとく、夕方になっちゃったし。
ダンガ:
そうだな。エクールちゃん、よくがんばったな。
エクール:
ちゃ ちゃん付けしないでって言ったでしょう!
チェリー:
スリープウィンド!
ネロ:
…
チェリー:
完全に、錯乱してたみたい。
* セリウスとクレアー登場
ネロ:
何か来た…
フィー:
谷の途中で見かけた人にそっくり…
旅人 A:
おや?君達、ここで何をしているんだい?
ネロ:
炎の魔法主に会ったんです。
旅人 B:
なんですって?あの魔法主に会って、その程度の傷だったと言うのですか?
ダンガ:
その程度とは失礼な。危うく焼き殺されるところだったぜ。
旅人 A:
たいていの人はすでに焼け死んでしまうよ。
旅人 B:
あなた達、只者ではないようですね。
フィー:
あの、私達は普通の学生と大人ですが。
旅人 A:
ん?そこで倒れている女の子は、友達かい?
ネロ:
あっ、はい。さっき、いろいろあって…
ダンガ:
そうだ。アンタ達、この子を外まで運びたいんだが、手伝ってくれねぇか?さっきの戦いで、俺たちの力だけで運べるか、少し危ういんでさ。
旅人 B:
わかりました。では、一緒に行きましょう。
ネロ:
あっ、エクール…
エクール:
アレ?私、何してたの?
フィー:
ともかく、外へ戻りましょう。
* 炎の谷の外にて
ネロ:
ありがとうございました。
クレアー:
あなた達、凄いですね。ミルタウンからここまで来るなんて。
ダンガ:
ほぉ。アンタ達は、どこの出身なんだ?
セリウス:
私はセルターネス、彼女はナムアだよ。
クレアー:
私達、世界各地を旅する事が生きがいで、二人で共にここまで来たんです。
ネロ:
へぇ~。それも凄いですね。しかも、二人でですから。
クレアー:
ねぇ、あなた。この子たちと一緒に行かない?
セリウス:
一緒に…
クレアー:
ここまで来てフレムと会っているのだから、並みの旅人ではないわ。それも、子供達が。
セリウス:
確かにそうだな。だが、お前の判断で決めてはいけないぞ。
クレアー:
わかってるわ。
エクール:
みんな、ごめんね。
フィー:
いや、いいんだよ。あの時は、仕方なかった。
ネロ:
そうだよ。ともかく、無事に炎の魔法主にも会えたんだ。
チェリー:
で、次はどこへ行くの?
ダンガ:
さっき歩いてて気づいたんだが、あの谷のあちこちの穴の様子が変わってたぜ。
フィー:
それ、調べてみた方がいいかもしれない。
エクール:
そうなの?
フィー:
海底神殿にしても深緑の森にしても、ここから歩いて行けるものではないよ。少なくとも、人が知ってる限りはね。
でも、谷の向こう側に当たる部分は未知かもしれない。
ネロ:
なるほど。知らないって事は、調べれば何かあるかもしれないんだ。
エクール:
じ じゃぁ、またあそこ歩くの?
チェリー:
本当に大丈夫なの?
ダンガ:
わからねぇな。だが、どうせ他に道もねぇんだろ?ないなら作るしかねぇって事だろうよ。
ネロ:
それじゃ、一度町に戻ってから、出直そうよ。今はともかく、この状態だし。
チェリー:
あっ、さっきの二人がこっち来てる。
セリウス:
なぁ、君達。妻が、頼みたい事があるって言ってるんだ。聞いてやってくれないか?
エクール:
頼みたい事?
クレアー:
私達も、あなた達の仲間に入れてもらえないかなぁって、思ったんです。ダメでしょうか?
フィー:
二人を?
ダンガ:
どういう事なんだ?
セリウス:
君達と旅していると、きっと自分達を成長させる要因になるかもしれない… そう思ったんだ。
クレアー:
私達はあなた達みたいに若くありません。どうしても嫌なら、それでもかまいません。
ネロ:
う~ん、どうなんだろう?
ダンガ:
いいんじゃねぇか?入れてやって。
フィー:
そりゃ、人数は多くてもいいけど…
ダンガ:
バッカだなぁ。人数が多いと楽になる。それに、
この筋書きでは、入れる事を拒絶できないらしい。つまり、入る事は決定済みの
ネロ:
今の、いったい…
チェリー:
ともかく、一緒に行った方がいいのね。それじゃ、よろしくね。
セリウス:
世話かけるな。
* 44時間経過後
目の前に、小さな悪魔が現れた!
チェリー:
これ、デーモンの子供じゃない?
クレアー:
デーモンはたいへん凶悪な種族ですよね?もしかして、私達を狙っているのでしょうか?
小悪魔は、襲いかかってきた!
ダンガ:
なんだ?ちっとも痛くないじゃねぇか?
ネロ:
他に何かして来る気配もなさそうだよ。
フィー:
えいっ!
小悪魔は一撃で倒れた…
フィー:
ずいぶん貧弱だね。峯撃ち程度だったんだけど。
エクール:
でもいったいなぜ、私達の前に出てきたのかしら?
セリウス:
それにしてもこの悪魔、少しは忍耐力があるようだぞ。
ダンガ:
確かに、まだピクピク動いてるな。でも、いつ消えてもおかしくないぞ。
チェリー:
私、話してみようか?
エクール:
えっ、話、通じるのかなぁ?
チェリー:
大丈夫。これがデーモンだったらね。
セリウス:
そんな事をして大丈夫だろうか?チェリー。まぁ尤も、何か起きてもその様子では何とでもなるだろうな。
クレアー:
成熟したデーモンが近くにいないとも限りません。周囲には気をつけていないと。
チェリー:
ふ~ん、なぁるほどねぇ。
ダンガ:
わかったのか?
チェリー:
この子、仲間に捨てられたんだってさ。
エクール:
す 捨てられた?
ネロ:
デーモンって悪魔でしょう?群れで行動しているようには思えないけどなぁ。
チェリー:
この子、成長が遅かった事を理由に、捨てられたんだって。で、いつか復讐するらしいわよ。
クレアー:
悪魔の世界でも、いろいろあるんですね。
ダンガ:
ほぉ、悪魔が悪魔に復讐か。そいつは面白い話だなぁ。
チェリー:
ネロ。この子、私達と一緒に旅したがってるみたいよ。連れて行かない?
ネロ:
あ 悪魔を?
エクール:
う~ん、それって、凄く不満だなぁ。今は子供でも、成長したら凶暴なデーモンでしょう?私達、餌にされちゃうかもしれないじゃないのよ。
フィー:
確かに、先の事を考えると、厳しいね。
小悪魔が、ネロの下に歩み寄ってきた…
ネロ:
何だか、連れて行かないと、何かやりそうな感じだなぁ。
エクール:
それ以上近づくと、本当に消すよ!
チェリー:
ごめんね。私達は、あなたを受け入れる事はできないわ。悪く思わないで。
ダンガ:
なぁ、どうせなら連れて行かないか?コイツを。
エクール:
どうしたの?いきなり。
ダンガ:
コイツを切っても仕方ねぇだろ?そう思わないか?
エクール:
そ そりゃ、確かに、切るほどの物でもないけどさ。でも、将来が…
ダンガ:
将来っていつだよ?
エクール:
え、いや、だから…
ダンガ:
お前、まだ学生だから習ってないかもしれないが、モンスターとそうでない物っているだろ?
ネロ:
モンスター…
フィー:
確かに、何かに害を与えるものをモンスターだと言っているよね。
エクール:
って、さっき思いっきりあなた噛まれてたじゃないの。
ダンガ:
アレが牙か?とてもデーモンの牙とは思えなかったが?
クレアー:
確かに、デーモン全てがモンスターだと言うのは、おかしな話ね。エクール、連れて行ってみましょう?
エクール:
…
フィー:
どうする、エクール…
エクール:
わかったわ。けど、一つだけ条件がある。それだけは聞いて欲しい。
ネロ:
僕らと一緒に来るからには、仲間を傷つける事はしない事。したら、僕らは君を切る。
エクール:
もう、ネロ。人の台詞勝手に盗まないでよ。私から言わないと、意味ないじゃないのよ。
セリウス:
ともかく、これで8人か。賑やかな旅になるといいな。
チェリー:
この子、前まではリドルという名前で呼ばれてたらしいよ。
フィー:
それじゃ、リドルと呼ぶのがいいんだろうね。
セリウス:
少なくとも、ベビーデーモンとか呼ぶよりは、ずっとマシな印象だな。そう呼ぼう。