※ このコンテンツは、極度のネタバレを含んでいます。なので閲覧をされる方は、ストーリーを一度は味わって下さい。
* 最後の砦5階にて
ネロ:
ひ 広い…
フィー:
もしかして、ここが最上階…
チェリー:
近くに、誰かいるよ。
上官:
やぁ~、ネロ君。元気そうで何よりだ。
エクール:
う 後ろ!
上官:
君達がここまで来る様子、楽しく拝見させてもらったよ。
あれほどの魔物の輪をかいくぐり、ここまで来るとは、ずいぶん強くなったな。
ダンガ:
さて、アンタには悪いが、おとなしくしててもらおうか。
ネロ:
上官!僕らは、あなたを倒さなければなりません。覚悟して下さい!
フィー:
ネロ、もう上官じゃないよ、この人は。
上官:
ほぉ、そんなにまでして魔族を嫌うか。それは困ったものだな。
クレアー:
魔族を嫌うのではありません。あなた達がやろうとしている事、それを止めるだけです。
チェリー:
そう。魔法を封印して、世界を洗脳するなんて、絶対に許さない!
上官:
そうか。そんなに我々の美しい計画を邪魔したいのか。それなら仕方ないな。
ダンガ:
何くだらない想像に浸ってやがるんだ!アンタ。それのどこが美しいんだ!言ってみろ!
上官:
そう言う君達こそ、そんなに魔法で戦争がしたいのかね?
エクール:
な 何で、そうなるのよ?
上官:
エクール、フィー。お前達は、あの学園を出た後、何をするつもりだったんだね?
エクール:
えっ、えぇっと…
上官:
そうやって答えの出ない者の多くは、戦争に行く。今も過去も、ずっとそうだった。
エクール:
そ そんなの、何であなたが決めつけるのよ。私達の勝ってでしょう?
フィー:
確かに、多くは戦争に行くため、よく魔法学園は、軍隊の裏倉庫だと言われます。けれど、それは単に、お金という誘惑に負けた弱い人々。
上官:
答えになっていない。お前達はどうしたのだね?
それからネロ。お前も、そんなにまでして魔法を使いたがる必要はあったのか!
ネロ:
僕は…
ありました。
上官:
ほぉ。聞かせてもらおうか。
ネロ:
僕は、あの時魔法が使えないがために、何をしても学園では人一倍ダメ人間でした。
当然、そんな僕にまともな友達などできなかった。エクールが声をかけてくれなかったら、僕は今まで、生きていけなかった。
そして僕は、思った。魔法が使えない事がそんなに悪いのなら、使える人になりたい。そうなれば、誰からも見捨てられなくなるんだって。
上官:
そうか。では、魔法が使えたら、他のものと共に、戦争をしたのか!
ネロ:
そうだったかもしれません。
エクール:
えっ、ネロ。そ そんな事言ったら…
ネロ:
でも僕、こうしてここまで来て、気づきました。僕が欲しかったものは魔法ではなかったんだって。
そして、魔法がなくても、人として見てもらえる事がわかった。仲間もできたし、こうしてここまで来れた。
ダンガ:
ネロ、何言ってんだか、よくわからねぇなぁ。さっさと結論言えよ。
フィー:
ダンガさん、せかしても進展ないよ。
上官:
ネロ。そんなに魔法が必要ないなら、なぜ我々の邪魔をするのだ!
ネロ:
上官こそ、なぜ自分達だけ魔法が使えるようになりたいのですか?
もし、世界を自分達の都合のいいように改造するのが目的だったら、それこそ矛盾している。おわかりですか!
上官:
我々は主の復活を果たさなければならん。そのためには、戦争で無駄な魔力を浪費するものがいては困るのだよ。
ネロ:
でも、その主が復活したら、全てが元に戻るわけではない。主を復活させた後、あなた方は魔法で全てを支配する。
人も、植物も、モンスターも。みんなそれを望んでいると言うのですか!立証して下さい!
セリウス:
ネロ君…
ダンガ:
ネロ、我慢できねぇぞ。早くコイツを倒しちまおうぜ。
上官:
ネロ君。私の負けだ。人間にそこまで言われては、私の立場もない。
したがって、力づくで私を止めてみたまえ!その生命の力でな!
エクール:
け 結局、そんな事になるのね!
クレアー:
恐ろしい魔力を感じます。さすが、一魔法学園の創設者ですね。
チェリー:
みんな、気をつけて!
* 上官倒して
ダンガ:
よっしゃぁぁぁ!まいったか!魔族め。
セリウス:
なんという敵だ。あらゆる魔法の力を持つ… さすが、魔族だな…
上官:
クックックックックッ。君達、とてもすばらしい力を持っているな。
エクール:
何高笑いしてるのよ。いくら私達を褒めても、あなた達の野望はこれでおしまいよ。
フィー:
エクール。何だか様子がおかしいよ。
エクール:
これのどこがおかしいってのよ。もうピクピクなってるだけじゃないの。
フィー:
周囲だよ。
エクール:
えっ、あぁ、確かにまだ、邪悪な空気みたいなのあるけど、上官が本体じゃないからでしょ?
本体?
ネロ:
そうだよ。そういえば、本体はいったい、どこにあるんだろう?
上官:
お前達のすぐ近くさ。すぐに会えるだろう。
ダンガ:
それなら話は速いぜ。そいつをチャチャっと倒して、お前達の野望はおしまいだな。
チェリー:
あ 頭が…
クレアー:
チェリーさん、大丈夫ですか?
チェリー:
こ こっちに、な 何か来るよ。
セリウス:
おそらく、その魔族の本体というものだろう。
エクール:
な 何、コイツ!
フィー:
ドラゴン?
上官:
ハッハッハッハッハッ。我が主、神帝様のご復活だ!
クレアー:
神帝ですって!
ダンガ:
神帝!本当に、お前が神帝だと言うのか!
上官:
お前達と戦っている間に、主はその息を吹き返した。これで、お前達のお遊びも終わりだ。
フィー:
神帝と言えば、無敵の力を持つとされるドラゴンで、魔族の神として崇められているものだったよね。
エクール:
私達、こんなのと戦わないといけないの?
ダンガ:
何しょげてるんだ、エクールちゃん。いくら無敵の神帝でも、弱点がある。だから、ここへ来たんだぜ。
セリウス:
そうか。ネロ君の力を借りて、戦えばいいんだな。
エクール:
で で でも、サ サ サイズがさぁ、お 大き過ぎるって。
チェリー:
あたし、戦うよ。神帝に。
フィー:
チェリー…
ダンガ:
チェリー、何当たり前の事言ってるんだ。俺たちの目的は、上官を倒す事じゃねぇ。そのために来たんだぜ。
クレアー:
ダンガさんの言う通りですね。皆で協力し、全力で立ち向かいましょう。
フィー:
人間と魔族との最後の戦い…か。
セリウス:
フィー君、その響き、いいなぁ。私もそう言わせてもらおう。
エクール:
みんな…
ネロ:
行こう、エクール。僕らの決めた道を。
エクール:
…うん。
ネロ:
きっと、最後の戦いになるよ。準備をしよう。