2-3 Eランクと装備更新

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始まりの街に帰ってきた。

時刻はもう昼を過ぎている。偶然だが、満腹度が25%を下回ったという通知も来ている。

「ナビー。冒険者ギルドへ先導してくれ。」

「わかりました。こっちです。」

とりあえず冒険者ギルドへ行き、素材換金で資金を得よう。

リーズナブルな食堂もあるそうなので、ついでに満腹度も回復させるとしよう。

ナビーの先導に従い、冒険者ギルドへ向かい、入る。

受付まで先導してもらう。

「えぇと、こちら、冒険者ギルドです。それで、本日はどのような要件で…」

受付の人は、昨日の人とは別人だった。今日は男性のようだ。

「始まりの草原で得た素材を卸したい。」

「素材ですね。では、買取りカウンターへ… いや、少々お待ち下さい。連れて行きますので。」

どうやら、買取りカウンターには連れて行ってくれるらしい。

実の所、買取りカウンターに直接行っても良いということはまとめウィキで知っていた。が、初回なんだし普通に受付に行っても良いかな?と思ったのだ。

「手、狩りますね。」

「あ、はい。」

受付の職員は右手を掴み、歩き出す。なので、それについていく。

「こちら、買取りカウンターです。ダナンさん、この人の素材買取りをお願いします。」

「お、おぅ。了解だ。」

職員は、素材買取りの人に声をかけたらしい。で、ダナンと呼ばれるおっちゃんっぽい人が、素材買取りの担当なのだろう。

「ユーだ。よろしく頼む。」

「おぅ。あんた、旅の者でいいんだよな。」

「そうだな。盲人ではあるが、異界の旅人だ。」

「異界の旅人」は、プレイヤーが最初に獲得する称号であると共に、ゲーム内住民によるプレイヤーの総称とされている。

「なるほどな。ってことは、素材はインベントリーだな。冒険者証を出してくれるか?」

「わかった。えっと、たぶんこれだな。」

冒険者証?を出して渡す。冒険者証は鉄板だったと思うので、布切れや皮、銅帯とは間違えないはずだ。

ただこれ、毎回必要なのだとしたら、その内、何か違う物と混ざらないよう、印でも彫ってもらうとしよう。

「おぉ、あんた、一人で草原で狩ってたのか?やるなぁ。」

「ん?ログを見たのか?」

「あぁ、すまんすまん。今日の狩の記録だけ確認したかったんだ。」

冒険者証には、倒したモンスターの情報が記録されるらしい。これはメニューからも閲覧できるもので、例えば、その日に狩ったモンスターの一覧や、入手した素材のログなどが閲覧できるのだ。

確か、真っ当なプレイをしているなら、ログを見られるなんてことは無かったはずだ。

「あんた、新顔だろう?だから、ちゃんと狩ができるのか?そもそも冒険者登録してるのか?って気になってな。」

「はぁ。まぁ、ログ程度なら、正直どうでもいいんだが。」

「感謝するぜ。おかげで、問題無いってことも確認できた。」

「そうか。納得してくれたなら、買取りを願う。」

「了解だ。卸したいものを決めてくれ。」

ということで、今回入手した素材類を全て卸す。今の所要らないだろうし、どうしても必要ならまた狩ってくれば良いのだ。

「査定したぜ。料金は、4800pだ。」

「わかった。それでいい。」

始まりの街近辺で入手できる素材をギルドで卸した場合の平均単価は120p程度だ。特に狼の皮や牙、肉が売れ筋だ。

何はともあれ、これで、所持金は5650pだ。

「了解だ。貢献度も付けておくぞ。Eランク昇格だな。」

「助かる。それと、食堂を利用したいのだが開いてるか?」

買取りが終わったので、食堂の確認をする。

「開いてるぜ。」

「あ、私がお連れしますね。」

さっきの職員、いたのか。

まぁ、連れて行ってくれるなら何でもいいか。

その後、職員に連れられ食堂に入った。と言っても、同じ建物内の隅にあるテーブル席だそうなので、規模は小さそうだ。

食堂付近には、人が会話しているとか、何かを食べているような音は聞こえなかった。 14:42 という微妙な時間だったせいか、今は誰もいないのだろうか?

「こちら食堂です。えっと、メニュー、読みますね。」

ナビーに聞こうと思ったら、読んでくれるらしい。ずいぶん親切である。

結局、600pのパン大盛&シチューセットを購入し食した。満腹度20%から満タンまで回復するには、パンをたくさん食べるのが効率的、とウィキにあったのだ。

なお、ゲーム内では、満腹度以上に食べることはできるし、仮に偏食であっても身体には問題は無いとある。ただし、特定の食べ物の接種が有効なケースはある。

例えば、空腹耐性の本来の習得条件は、満腹度10%以下の状態を累積60時間ほど維持することだそうだ。この条件を満たすには、薬草や野菜での生活を必要とする。

余談だが、空腹耐性を持ちながら、以降も満腹度10%以下の状態を続けていると、「断食」技能を習得できる。この技能は一定期間、食用や飲用をできなくし、筋力等の上昇にマイナス補正がかかる代わりに、満腹度が減らなくなるという技能だ。生産に没頭する場合に特に有効とされているが、ポーション等の引用が制限されるので、戦闘職との相性は悪い。そもそも、食事を遠慮する予定も無いので、今回は要らないだろう。

腹ごしらえが終わったので、これから以前訪れた防具屋へ向かう。装備の購入や耐久度の回復を行なうためだ。

ナビーの案内に従い、前回と同様にお店へ入る。

「いらっしゃいませ。」

「どうも。防具の購入や、耐久度回復がしたい。」

以前、やり取りをした店員だったので、話を続ける。

「わかりました。では、まずは購入を希望されている防具は何でしょうか?」

「頭と体防具を購入したい。それと、腕と足防具について、Eランクで更新されたものがあれば。」

「なるほど。Eランクに上がられたんですね。では、順にお持ちしますね。」

今回、特に購入したいのは頭と体防具だ。

現在、頭には装備が無いし、体防具も初期装備の服なので、防御力があるとは言いずらい。

「こちらで扱っている頭防具は、帽子や兜になります。体防具は服や軽鎧ですね。」

商品を持ってきてくれたので、触鑑定を試みる。

布の鉢巻き:

種別: 防具・帽子

説明: 布性の鉢巻き。防御力は低いが、集中力を向上させる効果がある。

価格: 400p

藁帽子:

種別: 防具・帽子

説明: 藁で編まれた帽子。防御力は低いが、若干の冷気耐性と、体力回復促進効果がある。

価格: 400p

獣革の防止:

種別: 防具・帽子

説明: 革性の帽子。熱や斬撃、刺突などにやや強い。

価格: 600p

銅の兜:

種別: 防具・兜

説明: 銅板をつなぎ合わせた防具。物理防御力が高い。

価格: 1000p

銅編の革帽子:

種別: 防具・帽子

説明: 網状に編まれた銅線を革で包んだ防具。外革で衝撃を和らげ、硬い攻撃は銅で受ける。

価格: 1500p

性能的には、銅編の革帽子が良さそうだ。直近のマップでは、ゴブリンの棍棒、次点には鳥系モンスターのクチバシが考慮対象になる。なので、隙間が少なく、打撃を受け止める柔らかさのある防具が望ましいだろう。

獣革の鎧:

種別: 防具・鎧

説明: 革を縫い合わせて制作された防具。軽く、安定した防御力を有する。

価格: 1500p

旅人のローブ:

種別: 防具・ローブ

説明: 綿布と木綿を配合した冒険者用のローブ。防御力は軽鎧に劣るが、魔力を用いる技能が僅かに向上する。

価格: 1800p

下級武道着:

種別: 防具・軽装

説明: 木綿と綿布を配合して、防御力と身体の動かしやすさを高めた防具。防御力は鎧に劣るが、体術の効果が僅かに上昇する。

価格: 1800p

銅の鎧:

種別: 防具・鎧

説明: 銅板を縫い合わせた防具。若干重く、隙間もあるが、物理防御力に優れる。

価格: 2200p

獣革の重鎧:

種別: 防具・鎧

説明: 大型の獣革で作成された、胴を包み込むような防具。若干重いが、防御力が高い。

価格: 2600p

体防具は、ひとまず下級武道着で良いだろう。防御力、耐久力は今よりも上昇するし、体術への補正も有益だ。

その後、腕や足防具も紹介してもらったが、グレードアップが必要と言う印象は持てなかった。

「銅編の革帽子と下級武道着を購入する。それと、武器、小手、具足の修復を頼む。」

「はい。修復費用も加えると、3850pになります。それと、デザイン調整をしますので、一緒に来てもらえますか?」

お金を払い、奥へ連れていかれた。体にフィットする、身体を動かした時の引っ掛かりを無くすための微調整ということだ。

名前: ユー

HP: 100%

MP: 100%

状態: なし

所持金: 1200p

満腹度: 98%

レベル: 4

経験値: 12/144

体力: 21

魔力: 14

筋力: 12

防御: 22

精神: 12

知性: 22

敏捷: 2

器用: 4

技能:

適性: 体術2, 魔力拳1, 気留術2

技術: 触鑑定2

支援: 捕獲握力強化

耐性: 空腹耐性

特質: 盲人, 鈍感, 効果変化 欠損, 正々堂々

体術: 強撃, 足払

気留術: 癒気, 瞑想

魔力拳: 魔拳

装備:

獣革のナックル, 下級武道着, 銅編の革帽子, 獣革の小手, 獣革の靴, 綿布の靴下, 銅の首飾り

「この格好、旅人として問題は無いだろうか?」

「そうですね。頭から足までしっかりとした装備をされている方は多くありません。また、そうした装備を行なう方は、騎士のような重装備を好まれます。だから、ユー様のような服装は珍しいでしょうね。」

「まぁ、そうだろうなとは思う。で、問題はあるか?」

「似合っているかとか、旅人として適切かということであれば、問題無いと思いますよ。先ほど、少し染色もしてバランス調整しましたから。」

「染色?薬品っぽい匂いがあると思ったら、そういうことだったのか。」

いつの間に染色されていた!

「はい。当店の防具を一式購入してくれましたので、こちらは無料サービスになります。」

「なるほど。それは渡りに船ではある。のだけれど、事前に説明はして欲しかったな。」

「え?あっ!すみません!すっかり失念しておりました。その、バランスが良くなかったもので…」

真面目な店員だと思っていたのだが、まさかの勢いでやっちゃう系なのか?

とりあえず、見た目の良い装備にしてくれたのだから感謝を告げて店を出る。