2-4 第2マップの準備、魔法を覚えよう

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「ナビー。近くに座れる場所ってあるか?椅子じゃなくて石段とかでもいい。」

「はい。最も近いのは中央広場です。」

「そうか。じゃ、そこまで先導してくれ。」

「わかりました。こっちです。」

ナビーの先導を元に、中央広場へ向かう。

「中央広場に到着しました。座ることができる場所はこっちです。」

そのまま進み、杖で確かめる。大きめの丸石だった。触鑑定では「石の椅子」となっていたので、座って良いようだ。

座ったのは、今後の予定を考えるためだ。

まず、次の目標は、第2エリアにある東西南北の村へ行ってみることだ。文字通りの冒険のためだ。

E2: ヒッツの村。ヒッツの森の手前にある小さな村。森は獣が跋扈する弱肉強食地帯。

W2: ニノンの村。ニノン洞窟の手前にある村。洞窟は流通用に整備されているが、モンスターも多い。

N2: キトルの村。キトル山の手前の村。山には滝もある。

S2: ミーミ村。ミーミ平原の手前にある村。農作物の運搬路はあるが、平原にはゴブリンの酢がある。

第2マップは上記の通り、まず入り口付近に村があり、その後、長い道が続いている。その先が第3マップの街なのだ。

どこへ向かっても良いが、現状ではヒッツかミーミを考えている。

ヒッツの森は、E1がそうであったように、獣やゴブリン系に偏っていて、スライムはほとんど出ない。また道幅が狭いため、群れの数が過剰になりにくいのも良い。

ミーミ平原は、単純に4フィールドの中で最も難易度が低いとされている。モンスターの少ない交通路が整備されている上、出てくるモンスターも、レベルが上がったゴブリン系。つまり、S1と同じ感覚で戦うことができる。ただし、スライムもいる。

他フィールドにも魅力が無いわけではない。ただ、S3やE3の街で強力な装備を手に入れてからでも良いだろう。

残りは、まとめウィキで、入手できるモンスター素材で考えよう。換金率とか、装備更新に有用な素材が多そうな所に向かうべし、といった感じだ。

さて、次に、必要な物資だ。

いずれにしても、移動に相応の時間がかかるだろうから、食料、ポーション、テントは必要だろう。

あと、解毒ポーションと… 煙玉か?

テント:

種別: スポットアイテム

説明: 敵対するモンスターがいない時、野外で休息するスポットを作ることができる。設置から一日経過で消滅する。

価格: 800p

煙玉:

種別: スポットアイテム

説明: 僅かな時間だが、使用することで、モンスターに注目されなくなる。戦闘中使用不可。

価格: 200p

解毒ポーション:

種別: 薬品・回復

説明: 飲むか振りかけると、身体異常を回復できる。使用方法による違いは無い。

価格: 200p

この世界での「テント」は、数日かかるフィールドやダンジョンの探索に必須のアイテムだ。主に、夜を明かしたり、一時的なログアウトをしたりする用途で用いられる。

しかし、一定距離内に、こちらを認識しているモンスターがいると、なぜかテントの展開ができなくなる。プレイヤーはシステム的に妨げられるわけだが、住民の話によると、テントに入る所を目撃されると、全力で襲われるのだそうだ。

そこで登場するのが「煙玉」だ。これを使うと、僅かな時間だが、モンスターの認識から逃れることができるそうだ。つまり、煙玉が有効な間なら、近くにモンスターが潜んでいるフィールドでも、テントに入ることができるのである。

このコンボについて、まとめウィキでは、「スモークテント」と呼ばれている。まるで、テントから煙が沸いているような表現だが、効果は抜群なのだ。何しろ、プレイヤーだけでなく、現地住民も「スモークテント」と呼ぶのだから。

解毒ポーションで治療できるのは、毒、マヒ、気絶などだ。このゲームでは、状態異常は身体、精神、魔法、その他の4系統に分けられており、それぞれ以下の分類になっている。

身体: 毒、マヒ、気絶など

精神: 逆上、混乱、未了、恐怖など

魔法: 石化、凍結、燃焼、沈黙など

その他: 空腹など、上の3系統のいずれにも属さないもの。

ただ、上に挙げたアイテムを買いそろえるには資金が足りない。なので、狩は必須だろう。

「ナビー。俺が受けられるギルドの依頼の内、この街中か、始まりの街の外周でできるものはわかるか?」

「ユー様が訪問した際に掲示板に掲載されていた依頼であれば、…」

そうして、ナビーから以下の依頼を教えてもらったのだが、どれも微妙だった。

街のゴミ拾い: 街中に出現するゴミを拾って回る。目視が前提なのでNG。

畑の手伝い: 畑の植え替え作業の手伝い。これも目視が前提の作業が多いのでNG

商品の配達: 指定の店間を移動して商品を配達。店の移動だけならナビー頼りでできるが、走った方が早くこなせるので、効率面で言うと盲人向けではない。

薬草の仕分け: 効能の異なる薬草を鑑定し、適切な場所へ仕分ける作業。触鑑定との相性が良く盲人でもこなせる。ただし報酬は現金ではなく薬草をいくつか。

畑に侵入したモンスターの駆除: 緊急クエスト、畑フィールドでのゴブリンの討伐。報酬は悪くないが、今から向かったのでは、到着する頃には終わっていそう。

この中だと、選択肢としては「薬草の仕分け」だろう。「解毒草」のように、自分で使って効果のある薬草がもらえるなら、解毒ポーションなどが不要になるからだ。

とりあえず、これは受ける方向で考えようと思う。薬草の仕分けは常時依頼系なので、何度か受けて薬草を貯められるからだ。

あと必要なのは… 属性攻撃の確保か…

具体的には、以前挙げた魔力拳の「腕刃」か、属性魔法が欲しい。

理由はスライム対策だ。スライムは打撃耐性があるので、今のままでは倒せない。

「ナビー。ここから近い水場はあるか?できれば滝か、湧き水のある泉が良い。」

「S1 始まりの草原 畑エリアに湧き水地帯があります。」

「畑?言われると納得だが、ちょっと想定外だな。」

この言葉から察する人もいるかもしれないが、水属性魔法の習得を目指すことにした。

この世界で、属性魔法を習得するためには、以下の手順が必要だ。

  1. 魔力を感じたり、操作したりする技能を身に着ける。これは魔力拳でクリア。
  2. 魔法を観察するか、属性を象徴する現象に近づき、技能を用いた魔力を流し続けること。水魔法なら、流れている水に向かって魔拳を使うことだ。

他社が使用する魔法を観察したり、魔法を受け止め続けたりすることでも習得が可能なのだ。つまり、魔法使いと戦っていれば生える、とも言える。

ただし、魔法を習得するために自傷する行為は避けるべきだ。例えば、「炎魔法が欲しい」場合に、モンスターの火炎放射を受け止めるのはOKだが、焚火に突っ込んであぶるのはダメなのだ。

このゲームでは、そうした狂気的行為にはしっかりリスクが付いてくる。例えば「炎魔法を出し続けて腕を焼く」を繰り返すと、「爛れた腕」や「壊死した腕」と呼ばれる技能を習得してしまうのだ。検証のために犠牲になった人がいたようで、まとめウィキに以下の情報があった。

爛れた腕:

効果: 精神異常耐性(大)

デメリット: 腕部に対する被ダメージ増加(大)、炎、水属性に対する耐性を失う、毒、マヒ、燃焼に対する耐性低下(大)

壊死した腕:

効果: 痛覚削減(大)

デメリット: 腕を用いた技能が使用不可、腕装備が効果を示さない

「爛れた腕」は、現状だと炎や水属性攻撃を受けると、ほぼ即死する。雨や湿地、砂漠でもHPがガリガリ減っていく。また毒やマヒの耐性も下がるため、森や洞窟などのギミックで普通に死ぬ。

「壊死した腕」は、腕が使えなくなるので、市販されている武器がほぼ全滅する。また魔法の中には、腕から射出する技能もあり、これも封印されてしまうのだ。

何よりもヤバいのは、「技能」として習得してしまうことだ。これは、死んでもアイテムを使っても治せないということになる。治す方法もあるにはあるのだが、「秘薬」と呼ばれる、特定の高難易度ダンジョンやイベントでしか入手できないアイテムが必要だそうだ。

ただし、技能として存在しているからには、特定の過程で習得し、その後変化する場合もあったり、デメリットを踏み倒して使う方法もあったりする。例えば「壊死した腕」は、「機械の腕」を習得するためのルートの一つである。とはいえ、マッドプレイに進むのでなければ、やるべきではないだろう。

そして、真っ当な条件では、こういう問題は起こらないらしい。例えば、戦闘でボスの炎を腕で受け止めて焼かれた場合は、欠損の状態異常だけで終わる。欠損は、なった時の被害とインパクトは強烈だが、ゲーム的には治療魔法や死に戻りできっちり回復する。部位破壊の概念のあるゲームならではの動作である。

話を戻すが、今回は、水に手を近づけ、魔力を流すことで、水属性の技能習得を目指す。

ちなみに、冷たい水に浸し続けて修行する方法も、やり過ぎ注意だ。こっちも腕が腐ったり壊死したりする。そもそもmPが切れる方がはるかに早いが…

「腕刃」の方は、単純に魔力拳を育てれば習得できるのだが、第1マップの経験値ではそこまで行けないそうだ。

他に、この街でするべきこと、行くべき所、フラグ回収などについて考える。

始まりの街の代表的な施設は、武具屋と雑貨屋、市場、冒険者、生産者、商人向けの各ギルド、図書館、あと公園だったはずだ。行っていないのは市場と図書館になる。

市場については、旅立つ時に携帯食などを仕入れるために立ち寄るとしよう。基本的には生産職が素材を仕入れるための場所なので、俺が行く必要は無さそうだが…

あと図書館だが、一応行ってみるべきか。特定の本を読むことが条件になっている技能があるのだが、自分で読むことが前提だ。盲人だとダメかもしれない。あと、それなら行くのは後日でいいな。

「ナビー、さっき話をした畑の湧き水の所へ行きたい。先導してくれ。」

「わかりました。こっちです。」

というわけで、ナビーの先導に従い移動する。

「南門に到着しました。外へ出ます。」

「そういえばナビー。畑は街全体を囲っているのか?」

「始まりの街であれば、北、または南側にあります。」

「そうか。それで、北じゃなく南を選んだ理由とかはあるのか?」

「現在、北エリアでは畑に侵入したモンスターを駆除するクエストが発生しています。ユー様はこれを受注していないため、南側を選択しました。」

「あぁ、さっきの緊急クエストか。」

「ギルドへ立ち寄って、クエストを受注しますか?」

「いや、いい。今日はもう時間が残っていないからな。ここでログアウトする。」

時刻は 19:13 と出ている。もう夜だ。

5時代にログインしたので、そろそろログイン制限時間に引っかかる。

できれば畑エリアまで行きたかったが、街の外周にあるため、たまにモンスターが出てくるのが厄介。

モンスターの処理は問題無い。だが、モンスターが一定範囲内にいるとログアウトが制限されてしまうのだ。