3-2 S1ボスをぶっ飛ばしてミーミの村へ

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あのスパーリングを楽しんだ翌日の夕方、予定通り、S1の南端まであと少しという所まで来た。

狩をしながら来たということもあり、やっぱり2日かかった。なので、初日はスモークテントの中で携帯食を食べてログアウトした。

そして今、俺は、回復を図っていた。具体的には、携帯食+癒気+魔力草+瞑想だ。

この先の道に入ると、S1のボスモンスターが出てくるのだ。

名は「ゴブリンライダー」だ。言ってしまえば狼に乗ったゴブリンであり、ヒット&ウェイで武器を振るってくる。

ということなので、まずはしっかり回復をしてから挑むとしよう。

レベル的には負けないと思う。が、残MPも満腹度も怪しくなってきたからな。

ということで、準備ができたので侵入する。

「ギャギャッギャーーッ」

相変わらずのゴブリンボイスだが、少し高いところから聞こえる。狼に乗っているのだ。

(強化、筋力)

戦闘開始ということで、まずは気留術の新技「強化」でバフをかける。今回増やすのは筋力だ。

その間に、ゴブリンライダーは声を挙げながら突っ込んできた。

そして、正面から何かで押されたような感覚があり、ゴブリンライダーは落下した。

うん。わかっていた。正面突撃のように見せかけて、実際には横を通り抜けるような角度で槍を振れば、例によってボイーンってなるよね。

というわけで、近くで呆けていた狼を掴み、投落!

投落は、投げ技の一つだ。掴んだ相手を背負い、その後、後方へたたきつけるという技だ。

これにより、狼に大ダメージを与えるとともに、ゴブリンと物理的に分断する。

「キャイーーン!」

の予定だったが、この一撃で狼は砕けてしまった。狼が、レベル5なだけのただの狼ということもあるが、投落が強いのだ。

投げ技は相手を掴むという前提条件が厳しいため、基礎威力が高い。確かまとめウィキでは、強撃の倍くらいだったと思われる。

その間に、乗り物を失ったゴブリンが起き上がる。

「ギャギャーーッ!」

声を挙げながら、また突っ込んできた。

そして、槍… いや、掴むことのできる鉄の棒を、自ら前に出してきてくれたのだった。

当然、その槍を掴み、再び投落!

「ギャーーーッ!」

哀れ、槍を手放さなかったゴブリンは、投げ技によって地面にたたき付けられた。替えの武器が無かったのかな?

倒れたゴブリンの元へ近づき、触鑑定!そして、連撃を放つ。こちらは、両手の拳を使って連続攻撃を打ち込む技だ。

ゴブリンライダー:

Lv: 5

種別: モンスター、ア人、フィールドボス

HP: 37%

状態: 敵対、怯み

説明: 狼に騎乗するゴブリン。通り抜けながらの槍突撃で賢く攻めてくる。はずだったが、現在、相棒たる狼と離れているため弱体化している。

投楽の地点でこのHPは…

うん、やっぱりこれでおしまいだった。

「S1 フィールドボス ゴブリンライダーの討伐に成功しました。 S2 のマップが解放されます。」

「称号 第1マップ突破者 を獲得しました。」

「経験値を80獲得しました。」

システムメッセージも聞こえたので、間違いなく倒せたようだ。

わかっていたことだが、今のレベル帯だとゴブリンライダーはザコなのだ。

まず、本来のゴブリンライダーの推奨レベルは5だ。加えて、ソロ且つ初期装備で勝てるようになっている。

しかし、こちらのレベルは8。加えて、称号や武道着で体術が強化されている。これにバフまで積んでいるのだ。さらに、使った技も、想定されている技より1段上だ。

あと、フィールドボスは、初回討伐以降は弱体化されるので、今回挑んだのも当然弱体化個体だ。1年も経過しているサービスなので、フィールドボスはほぼ狩りつくされている。

そりゃ、圧勝できるわけだ。

とはいえ、今の戦闘でMPは40%も消費した。だから、冒頭でちゃんと回復したことには意味はあったのだ。

「ナビー。今日はここでキャンプだ。明日、村へ向かうぞ。」

「了解しました。この地点であれば、テントの使用が可能です。」

フィールドボスを倒すと、そこは翌日まで安全地帯になる。このため、テントを張ってログアウトすることが可能だ。

なお、一度倒したフィールドボスは、翌日になるとリポップするが、戦うかどうかは選択式となる。戦わない選択をすると、モンスターなのに道を譲ってくれ、こちらからの干渉ができない状態になる。ボスとして固定表示しておくための措置らしい。

ということで、今夜もテント内で満腹度を回復し、ログアウトした。

「ユーさま、おはようございます。」

「おはよう、ナビー。今日は、リポップしているゴブリンライダーを倒してから、村へ向かうぞ。」

というわけで、テントから出て早々、選択に従ってゴブリンライダーを再び倒す。学習するタイプのボスではなかったようで、今日も盛大に狼から落下していたな。

「ナビー。近くに村があるという。先導できるか?」

「S2 ミーミの村があります。先導しますね。こっちです。」

ということで先導してもらう。

なお、ナビーの🗺情報は、以前、チュートリアル後に立ち寄った図書室でアップデート済だ。これをしておかないと、入り口はわかるけど中はわからない、みたいな困ったことがあるらしい。

尤も、ミーミの村にもギルドや図書質はある。だから、ミーミで迷ったら、ギルドへ行けば何とかはなる。

「S2 ミーミ平原に入りました。」

歩いていくと、マップが変わったようだ。

ここから村は近いが、一応注意しよう。

出現するモンスターのレベルが 7+-2 くらいになる。そして、現在のお祭りを考えると、

「ギャギャーッ!」

「ギャッギャッギャッ!」

「グギャッグギャッ!」

ファイターを含めた複数のゴブリンが群れてくる。正直言えば、S1ボスよりよほど危険だ。

(強化 防御)

まぁ来てしまったものは仕方ないので戦うとしよう。当然、ポコポコと殴られるので防御重視だ。

とりあえず正面から棍棒を振ってきた相手を掴んで投落とする。

そうして3分後…

「ゴブリンファイター、ゴブリンボクサー、ゴブリンを倒した。経験値を41獲得しました。」

ちゃんと倒せた。

ボクサーがいたのでスパーリングしたくなったが、今は村への到達を優先したい。装備の耐久値が怪しくなってきたからな。

その後は、村に近かったこともあり、ノーエンカウントで到達できた。

「ミーミの村に入りました。」

村の地面は土… 街のような人々の行きかう音は聞こえないが、誰かが話をしている、あるいは、鉄を鍛えているような音が微かに聞こえる。

建物の密度も、街よりは少なそうだ。音の反響の仕方がそんな感じだ。

「ナビー。まずはギルドに行きたい。先導してくれ。」

「わかりました。ギルドはこっちです。」

ナビーの先導に従い、歩いていく。

道はキレイというわけではない。が、荷車などが通るため、平坦には慣らされているようだ。少し道幅は広いだろうか?

「ギルドに到着しました。中へ先導します。」

そんなことを考えながら歩いていたら、ギルドの前まで来た。そして、そのまま中へ入る。

歩いていくと、杖は扉に引っかからず、土から石床に変わった。扉が無いのか、誰かが開けっぱなしにしているようだ。

「いらっしゃいませ。こちら、ミーミの冒険者ギルドです。」

男性のようだが、向こうから挨拶してきたぞ。ここは、普通に応対してくれるのかな?

「素材を売却したい。」

「素材というと、大量発生中のゴブリン素材ですか?でしたら、申し訳ありませんが武具屋へお願いします。」

「金属はわかるが、棍棒や布もか?」

「はい。ゴブリンの素材のみでしたら、基本的に武具屋でしか使わないものですので。」

村なので武具屋が1件しかない、なら仲介せず直接卸せ、といった所だろうか?

「わかった。それと、少しだが狼素材もある。それは?」

「あぁ、狼素材でしたら、こちらで買取りします。買取りカウンターでお願いします。」

「なるほど。では、そっちに行こう」

「あぁ、少々お待ちください。連れて行きますよ。」

勝手に行けば良いのかと思ったら連れて行ってくれるらしい。無関心系だと思ったのだが、お仕事忠実系だったようだ。

受付の人に連れられ、買取りカウンターへ向かう。

「こんにちわ。ウチのがすまんね。仕事熱心なんだが硬いやつなんだ。」

「えっと、あんたが、買取りの?」

「あぁ、俺はヴァッツだよ。素材の買取りと解体を担当しているんだ。」

ヴァッツなる人が、軽い感じで話しかけてきた。

人材のバランスについては特に俺から語ることはあるまい。

「なるほどな、よろしく。で、素材なんだが、こいつだな。」

「なるほど、始まりの草原の素材っぽいね。ちょっと待ってな。」

獣肉 X 4

獣皮 X 3

鋭い牙 X 2

鶏肉 X 2

鳥の羽 X 6

騎乗狼の皮 X 2

騎乗狼の肉 X 2

鳥素材はプヨドリの素材だ。少し出てきた。

そして、騎乗狼とある素材は、ゴブリンライダーが騎乗していた狼の素材だ。ボス素材なので、狼素材よりは強いが、性能差は微妙とのこと。2回倒したが、皮と肉1つずつしかドロップしなかった。

「査定結果だが、今は3440pだな。ちょっと肉が割高になっているんだ。」

「なるほど。その金額で問題無いから、処理を頼む。」

「了解だ。」

ヴァッツへ素材を私、お金を受け取る。

「あとそうだ。図書室は利用して良いだろうか?それと食堂だな。」

「あぁ、問題無いさ。おい、悪いが食堂まで連れていってやってくれ。あとメニューもな。」

「承知しました。案内します。」

さっきの職員は残っていたらしい。そのまま食堂へ連れて行かれ、昼食を取る。

メニューも教えてもらえたので、今回は「焼き肉と焼き魚セット」にした。話によると兎と川魚の肉らしい。

その後、図書室でナビーのアップデートを行なった。置いてあった本も手に取ってはみたが、やっぱりただの紙束だった。

「ナビー。武具屋へ向かうぞ。先導を頼む。」

「はい。武具屋はこっちです。」

ギルドでの用事も終わったので、武具屋へ向かう。ゴブリン素材の換金と、装備更新、あと耐久値の回復だ。