04-02 S2フィールドボス VSストロングハードタートル

改定:

本文

「S2 ミーミ平原 南端へ到着しました。」

ミーミの村を出発して3日目の昼前… 無事に南端まで到達した。

既に回復は問題無いので、さっそくフィールドボスに挑むとしよう。

俺が前進すると、ドシーンという巨大な足音が聞こえ始めた。隣のマップからわざわざ出てくるのだ。

「ゴオーーーーッ!」

大地を揺るがす… というほどではないが、けっこうな声量で鳴き声がする。ただ、その声は俺よりも低い所から聞こえる。

まとめウィキによると、このフィールドのボスは「ストロングハードタートル」だ。長いので「ボス亀」と呼ばれる巨大亀だ。

ただ、さっきの鳴き声を聞いた印象だと、俺が想像しているよりも小さいのかもしれない。動画だと、その辺りの音声はよくわからなかった。

(強化 防御, 知性, 精神)

とりあえず戦闘開始。今回は木属性魔法をメインにするので、防御と一緒に知性、精神を挙げておく。減ったMPもMPポーションで少し戻しておく。その直後だった。

「ゴオォォ!」

鳴き声と共に、俺に水球が2つほどぶつかった。いつもの通り、たいしたダメージは無く、地面に水がバシャバシャと落ちる。

水球は、上の方から降ってくる感じだった。口付近から出てくると思っていたが、甲羅の辺りから打ち出されているのだろうか?

と思ったら、次に土球が2つほどぶつかったような感じがした。土球だと思ったのは、落ちたのが砂で、濡れた地面がべちゃっとしてきたからだ。

どうやら、打ち分けか、連続発射が可能なようだ。

とりあえず、なんとなく位置がわかってきたので、ボス亀に近づいていく。

すると、前方から何かが付きだしてきたが例によって弾かれた。爪だろうか?

とりあえず近くまで来たので、集緑を使用。さっきの爪のような何かは、手の届くところには無かったので、さらに近づく。

「ドシーン!」

正面から音がした。そして、前方に何かが振り下ろされたようだ。さっきの爪なのかわからないが、とりあえず触ることができる。

それなら、触れている物に対して強撃を打ち込む。ボス亀は、甲羅以外の部位ならダメージが与えられたはずだ。

「ゴゴォォォ!」

すると、この一撃で、ボス亀は声を挙げつつ震えたような気がした。大弱点の草に触れて、アレルギー反応でも起こした感じだ。

ストロングハードタートル:

種別: モンスター・フィールドボス・水生

レベル: 11

HP: 72%

説明: 海道に生息する巨大な亀。水と土の魔法を使用できる。腕や足の力も強い。

いったん、触れていたものから手を離し、少し後退する。本当は全身を触れて回りたいが、触れたままでいるとボス亀の直接攻撃、特にのしかかり系などに弱くなるからだ。そういうのは、S3で装備を整えた後にリポップ個体で行なえば良い。

「ゴォォォッ!」

また、鳴き声と共に水がかかった。となると、今度は土球が来るな。

俺は反撃を用意し、先ほど土球がぶつかったタイミングに合わせて振り抜いた。

結果、時間差で水、土と球を発射していたようで、拳で土球を弾くことができた。

この土球は基本的に弾く必要がある。時間差で同じ部位に命中することが推定されるなら、正々堂々による軽減効果が著しく減退するからだ。それでも、確信ではないので2~4割は軽減されただろうけれど…

とりあえず、このボス亀、ぜんぜん動かないな。なら、再び近づいて攻撃だ。

近づいていくと、また前方から何かが付きだしてきた。先ほどよりは少しだけ長く指圧された感じがしたが、ダメージは無い。もしかしてこの亀、パターン系か?

改めて、纏緑を用意し接近。すると、また前にドシーンと何かが下りて来た。で、手で触れたので、今度は連拳でボコボコ殴る。

「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォッ!」

「S2 フィールドボス ストロングハードタートルの討伐に成功しました。 S3 のマップが解放されます。」

「称号 第2マップ突破者 を獲得しました。」

「経験値を360獲得しました。」

あれ?

30%くらい削れれば良いと思っていたのだが、なぜかボス亀のHPが消し飛んでしまった。

考えられることとしては、木属性の攻撃が、弱点どころか特効であることだ。特効の場合の効果は、ゴブリンキラーグローブで示した通り、相手の防御を貫通する現象だからだ。

もし、木属性が特効であるとすれば、パンチを連打する連撃のダメージは、とんでもないことになる。それなら、7割のHPが溶けてしまった現象に説明が付くのだ。

これには、ボス亀が鈍足であったり、重量故にノックバック無効であったりしたことも起因しているように思う。連撃は、最大8連攻撃くらいまで可能だが、普通のモンスターは途中で仰け反って距離が開くため、2~4回くらいしかまともにヒットしないのだ。フルヒットしたのは、試し打ちで藁などを殴った時にしか経験していない。

結果としては、しっかりした準備が実ったことにはなるだろう。ただ、もっと、ちゃんと戦いたかったという思いはある。

俺は一度テントを設置してログアウト、そして、まとめウィキでボス亀の情報を確認した。

まとめウィキでは、木属性魔法は特効ではなく大弱点と記載されていた。この表記通りなら、通常の3倍のダメージが通るということになる。確かにそれはあるのだろう。

第2マップからのフィールドボスは、基本的にはパーティで挑むこと、もし、ソロ狩するなら限界まで育成することが推奨されている。その理由は、HPが爆発的に増えるからだ。

最初に使用した強撃は、木属性複合になっていたので、HPを4分の1も削り取る威力だった。この辺りのモンスターなら一撃で倒せる強撃で大弱点を付いて、ようやく4分の1。それほどにボス亀のHPは多いだろう。

その後に出した結論は、ボス亀は、木属性に対し「大弱点」ではなく、「弱点且つ特効」であり、まとめウィキではそこまで検証されていないのでは?という推定だった。まぁ、物理が通りにくい亀相手に、魔力拳で木属性を付与して接近戦するのは特殊事例だと思うけれど。

とりあえず、まとめウィキにあった検証用掲示板に、質問を書き込んでおいた。検証する価値はたぶん無いだろう。だが、サービスが続いている以上は、今でも謎を解明するのが好きなプレイヤーの一人や二人はいるかもしれない。

BGM(S3field)

「ユー様、こんにちわ。」

「おぅ、ナビー、すまんな。港町ソルットへ向かうから、先導してくれ。」

「わかりました。港町ソルットはこっちです。」

というわけで、俺は本来の目的に戻ることにする。

「S3 港街へ続く野道 に入りました」

アナウンスを聞きながら、野道を歩いていく。

徐々に、右側から海の波音が聞こえて来た。まだまだ遠いが、アレが南西にあるという浜に繋がっている海だろう。

動画によると、ここから街までの交通路には、モンスターは上がってこないらしい。

ここに出現するモンスターは、交通路の横にある茂みの中や、浜辺に通じる砂地を移動している。交通路は見えているはずなのに、不思議と襲われることが無いのだ。

ただし、空は例外だ。今も、ラッシュバードがぶつかってきて勝手に落下した。ピーピー鳴いているので倒す。

「フォー、フォー、フォー」

別の所から鳥の声がする。

あの声は、ヌーンアウルだったか。視認すると、幻を見せてくる梟だった。それに惑わされて、交通路から外れたら、周辺のモンスターが群れてくる感じだったな。

しかし残念なことに、ヌーンアウルが、正面に飛んできて俺に抱き着いたとしても、幻を見せることは適わない。盲人だから視認できないのだ。

なお、幻聴を伴う幻の場合は、有効かもしれない。それでも、「鈍感」で極大の精神異常耐性を得ているので、ほぼ効かないだろうけれど…

とりあえず、飛んでくることも無く鳴いているだけなので、俺は無視して進むことにした。今は戦闘より街だ。

海の波音は、だいたい右側からずっと聞こえるようになってきた。ただ、聞こえる音から、距離は離れているようだ。現在の位置からだと、波が砂や岩を打ち付けるような音は聞こえない。

そんな波音を堪能しつつ、時々落ちて来た鳥を倒しながら歩いていると…

「港町ソルットへ到着しました。」

アナウンス通り、港町ソルットに入ることができたようだ。