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トマの塔 低層に出現するモンスターは以下の通りだ。
踊る人形: 魔生の荒野にいたモンスター。行き止まりに追い詰められれば狩れるかもしれないが、いずれにしても無問題。
ゴーレム: 出現率低め。多くの場合単体で出てくる、というより、サイズの問題で他のモンスターが通れない。
プチ妖精系: 妖精の狩場で遭遇したやつら。多彩な属性で、魔法を放ってくる。たまに突っ込んでくるので狩れる。
悪戯妖精系: 同じく妖精の狩場で出て来たヤツら。出現率はかなり低い。ゴーレムの図体が原因でつっかえて出て来られないんじゃないか?と言われるほど。
フラッシュラット: 雷属性のネズミ。ただし、名前の通り、メインはフラッシュによる視界阻害。それ以外は普通に噛みついてくる。
ライドマウス: 壁や天井を走れるネズミ。基本的に奇襲を仕掛けてくる。
ナビーの先導に従い歩いていくと、通路が広がったり狭まったりするような感覚を感じた。
把握している情報では、1層から順に以下の構造になっているらしい。
1層: 複雑な通路が入り組んだ迷路型
2層: 柱や横長の道などが敷かれた遺跡型
3層: 見えない足場を移動、間違えると2層に落ちる広場型
4層: 複雑な通路が入り組んだ迷路型
5層: 広い道、狭い道はあるが一本道が入り組んで存在する回廊型
6層: 所々に穴や見えない床が敷かれた広場型。特定の場所から5層に下りないと先へ進めない
7層: 最上層
なお、冒険者ギルドには3層、6層の抜け道は掲載されているので、ただ通るだけならナビーに聞くか、地図をメモ書きして持ち込めば簡単だったりする。加えて、まとめウィキに、マッパーが作成した100%地図が掲載されているので、そちらを使うプレイヤーが多いだろう。
そんなことを思い出しながら歩いていると、何かがぽふっとぶつかった。足音がしなかったし、何か下に落ちた感触もないので、魔法だろうか?
とりあえず近くには無いようなので前進していくと、今度は何かが触れた感触。掴んで強撃、触鑑定もしてみた。
プチライトフェアリー:
種別: モンスター・妖精
レベル: 18
HP: 100%
状態: 敵対、真理の枷+6
説明: 小妖精の一種で、光の力を祝している。敵対者を光の魔法で追い払おうとする。
「プチライトフェアリーを倒した。経験値を86獲得しました。」
あれ?一撃?特効からの… あ、真理の枷!光縛… だろうか?あっちからはずいぶん前に見つかっていたのか?通路だもんな。
とりあえず、無害だったのでそのまま… ん、足音?
そう感じた後、何かが足にぶつかった。あと、上からも落ちて来た。両方ともぼい~んってなったけど。
俺は、てきとうに一匹掴み上げ振討をたたき込んだ。足元に上からはネズミで間違いない。触鑑定もそういっていた。
フラッシュラット:
種別: モンスター・獣
レベル: 19
HP: 100%
状態: 敵対、真理の枷+1
説明: 中型のネズミ種に当たるモンスター。放電による閃光を利用して、賢く狩や危険からの回避を行なう。なお、魔法による光であるらしく、触れてもしびれるようなことは無い。
その後、また何かがぶつかってきたが、フラッシュラットではない、ライドの方か?掴んだら当たり!
ライドマウス:
種別: モンスター・獣
レベル: 18
HP: 100%
状態: 敵対、真理の枷+2
説明: 小型のネズミ種に当たるモンスター。特殊な足の構造により、壁や天井を走ることができる。
小さいので爆拳と行きたいのだが、魔弾鋼のナックルだと威力減退が厳しい。とりあえず掴んでいるので掴撃で地面にたたきつけておく。
ネズミの処理は、前のナックルの方が良さそうだな。こいつらは2層までしか出ないはずだから、そこまでは元に戻しておくべきか…
その後、飛び掛かられては攻撃、を繰り返して問題無く撃破。なんだか、バチバチしている音は聞こえたが、悪いな。俺に視界阻害系の攻撃は意味が無いんだ。
「フラッシュラットと、ライドマウスたちを倒した。経験値を272獲得しました。」
いつの間にかライドマウスが増えていた… いや、最初からいたのか?わからんが、どっちでも良いか。
さらに進んでいくと、大きな足音がした。たぶんゴーレムだが、荒野で聞いた音とは違う。あっちは荒野で地面、こっちは通路で床だからだろうか?
とりあえず近づいてくるので構えていると、何かが俺にぶつかった。ネズミよりは大きいか?掴んで投落だ!
「踊る人形を倒した。経験値を180獲得しました。」
たぶん、後ろのゴーレムに押し出されて、こっちに突っ込んできちゃったのだろう。通路だから逃げ場無いもんな。触鑑定した時の状態は「敵対」のままだったし。
そしてゴーレムの足音も到着。位置はわかっているので近づきつつ、魔弾鋼の連撃でもくらえ!と打ち込んだら、鉄板を打つ激しい音が5つ… で倒した。ストロングハードタートルの悲劇の再現だったか…
「ゴーレムを倒した。経験値を400獲得しました。」
やはりゴーレムの経験値は美味しい。相性が良いというのは良いな。それはそうと、武器は元に戻しておこうか。
その後も、同様にプチ妖精やネズミの処理が続いた。石縛や弦縛のような物理的な物が出てくることもあったが、不意打ちで使われたため抵抗が弱く、簡単に振り払うことができた。
「ユー様、宝箱を発見しました。こっちです。」
通路を2つ、行き止まり1つを歩いて4つめの道を進んでいくと、ナビーが宝箱を発見した。ついに俺もダンジョン産宝箱のデビューか。
とはいえ、ランダムであるが故に、トラップやミミックなこともある。ダンジョンの1層から、そんなおかしなものが出るはずが… なんて甘いのである。
だいたい、ダンジョンのチュートリアルは第3マップまでに済ませておけという話だし、そっちには小部屋などに無害な宝箱もある。俺は一度も出会ったこと無いけどな。
とりあえず、どうにもならないので杖を使いながらナビーの先導に従い接近。宝箱に杖で触れたが、木の感触であること以外には反応は無かった。とりあえず近づいただけで襲われる系ではないようだ。
では、宝箱に触鑑定をしてみよう。その結果は…
引き込みの罠:
種別: トラップ
説明: 宝箱状に偽装された罠。開封した者をモンスターの眠る空間に引き込む。モンスターを倒すまで脱出することはかなわない。なお、中にはプチアースフェアリー レベル22が眠っている。
アレ?中身バレしているぞ?トラップ書いてある。どゆこと?
あ、真理か!うん、納得。しかも、眠っているモンスターまでわかるって、とんでもないな。
とりあえず、中身がプチアースフェアリーなら、戦闘は問題無いだろう。一度体験したいと思っていたので、開けてみようか。
俺は宝箱を開けた。すると、地面が抜けるような感覚がした。
「引き込みの罠に移動しました。」
どうやら移動したらしい。で、モンスターは?
あ、石が体に?石縛か。ならてきとうに崩しておこう。
そうやってしばらく、いつも通りに魔法をぽふぽふして、最終的に突っ込んできたプチアースフェアリーをボッコボコにして倒した。
「プチアースフェアリーを倒した。経験値を176獲得しました。」
「トマの塔 1層に入りました。」
戦闘が終わったら、戻ってきたようだ。宝箱の位置に杖を振ってみるが、それも無くなっている。
「ナビー、宝箱はあるか?」
「いいえ。なくなっています。」
まとめウィキで知っていたが、宝箱も消えているようだ。完全にトラップである。
そういえば、引き込まれた空間について、歩き回って確認するのを忘れていた。ただ、プチアースフェアリー相手だとやりずらいか。何か、もっと安全なのが出たら試すとしよう。旅をすれば、わりと出会うらしいからな。
一応、まとめウィキの情報によると、モンスターの大きさに合わせて調整されるが、最小でも半径15メートルくらいの空間であるらしい。また空も地中も含め、周囲は壁や結界で囲まれているため逃げ場はなし。それ以外の条件は、出現したエリアの特性を引き継ぐとのことだ。
その後3時間ほど、俺は1層を歩き回り、モンスター狩に勤しんだ。宝箱とは出会えなかったが、2層への階段は見つけた。ちゃんと登る階段であることは杖で確認したぞ。
そこで時間がお昼になったので、入り口へ戻り脱出した。そして、俺はアステリアさんの錬金術店へ向かった。
「いらっしゃい。って、おや?ずいぶん早かったね。」
「ちょっと聞きたいことがあってな。ゴーレムの強化用メモリーは、ここで扱っているのか?」
「あぁ、それね。ギルドで買えるよ。残念ながら、プレイヤーが店売りしちゃいけないみたいでね。」
「なるほどな。助かった。」
「とはいえ、ベースが1増えるメモリーしか売ってないみたいだけどね。」
「そうか。ちょっと物足りないが、仕方ないな。」
目的のメモリーは、まさかのギルド販売だった。なら、薬草の仕分けや浄化依頼のついでに購入してしまおう。
ということで、ギルドへ直行。浄化と薬草の仕分け依頼をこなし、そして目的のメモリー5枚を手に入れた。
その後は、再び塔へ突入。また1層での狩に勤しみ、レベル22まで上がった。なお、宝箱には出会わなかった。宝箱のポップが変わるのは日が変わる時だからな。
なお、購入したメモリーだが、敏捷を3枚、筋力と器用を1枚とした。