07-12 E4 トマの塔 第4層~第5層

改定:

本文

「技能 滝の心 を習得しました。」

滝行を始めてから3日目の昼… 今日も滝の中でぼんやりしていたら通知が来た。どうやら生えたようだ。

なおリーネさんは、既に技能が生えたとのこと。失敗していたとはいえ、ちょっとずつ経験値を積んでいたのだろうから当然である。

滝の心:

説明: 滝に親しんだことで授かった祝福の一種。瞑想系技能効果上昇(微)、水耐性上昇(微)、冷気耐性上昇(微)、防御、精神上昇(微)

僅かでも地力が増える技能だ。あって損は無いだろう。

なお、これには上位技能もあるのだが、滝巡りが必要だったり、魔法(水)の上級が必要だったりするため、この地域での滝行はもう必要無い。よって、俺は修行を終えることとした。

そして、午後はトマの塔へリトライ。先日は3層で引き返すことになったが、今度は普通に進めるだろう。6層の幻影エリアがどういう扱いになるのかは知らないが、エクストラボスは既に倒しているのだから、おかしなことにはならない… と思いたい。

「トマの塔 3層に入りました。」

「条件を満たしたため、フィールドが変化します。」

最短距離で移動しながら正面のモンスターだけ倒し、俺は塔の3層までやってきた。

すると、先日と同様に、フィールド変更通知があった。だが、雷霊鬼のゴロゴロという音、それどころか、他のモンスターの声すら聞こえない。

「ナビー。穴は開いているか?」

「いいえ。開いていません。4層へ続く階段への案内が可能です。」

「そうか。ちなみに、モンスター等は見られるか?」

「いいえ。確認できません。」

「わかった。なら、4層へ続く階段へ向かう。先導してくれ。」

「了解しました。4層へ続く階段はこっちです。」

そうして、ナビーに連れられて歩いていくと…

「エクストラボス 雷霊鬼 レベル25 との再戦が可能です。挑戦しますか?」

過去に戦闘したフィールドボスと再戦した時と同じ通知が行なわれた。しかも、レベルが 30 から 25 に下がっている。どうやら、塔の適正レベルに収まるよう調整もされたらしい。

この様子だと、倒したとして、得られるのはボス素材だけになりそうだ。まとめウィキで調べた限り、レア素材ではあるが、レベル帯が第5マップ相当でもあるので、最前線で使うには性能が足りないだろう。強いて言えば、カイムさんに預けた召喚石のために集めておくべきかもしれないか…

結局、アイテムに余裕があったこともあり、俺は雷霊鬼と再戦した。そして、問題無く討伐。レベル低下の影響か、はたまた、一度討伐した恩恵なのか、攻撃力も防御力も下がっていた。

「トマの塔 4層に入りました。」

3層で一泊して翌日… 俺は4層にやってきた。今日は、朝からだから最上層まで到達したい所だ。

というわけで、ここで出会うモンスターについて触れておこう。ここからは、モンスターの出現テーブルが変わるのだ。

ウィスプ系: 属性妖精の上位互換に近い。球体型のモンスターらしく、人魂に見える。だが、実態があり掴むことが可能。

職業プラズマ系: 雷属性の精霊で、フェンサー、ランサー、スナイパーが出てくる。容姿は黄色く発光する人型で、性別がわかる程度にはっきり見えるらしい。スナイパー以外は高速接近から刺突をかけてくる。なお、低確率マヒ持ち。

悪戯妖精系: 出現率は1層より上がっている。

ウィンドファルコン: 塔の外周部で遭遇する鳥系モンスター。プレイヤーは外に出られないが、こいつらは外から飛び込んでくる。魔法は使わないが、風を纏った突進や翼、嘴などで攻撃してくる。

チックシーフ: 雀系のモンスター。天井付近を移動し、背後から襲撃、食料を奪い去る。上空に逃げられると処理が面倒なため、見つけ次第処理が推奨されている。盗難防止の指輪があればただの雀。

「ナビー。この層も、1層と同様に道が分かれているんだよな?」

「はい。目的地に通じる道が2つと、行き止まりに通じる道が4つあります。なお、目的地に通じる道は、塔の外周を周る必要があります。」

「わかった。どうせ5層でたくさん戦うだろうから、ここは最短で通り抜けよう。先導を頼むな。」

「了解しました。5層へ続く道はこっちです。」

ナビーのルート確認もできたので、俺は歩き始めた。

すると、さっそく、天井の方から雀っぽい音がしてきた。チックシーフだろう。近づいてくるまで無視で良いな。

そうして歩いていると、横から何かがぽふってなった。だが、何かがぶつかった感覚ではない。魔法か?

あ、後ろから肩をつつかれた。俺の肩をつつくなんて器用だな。捕まえたけどな。

チックシーフ:

種別: モンスター・鳥

レベル: 21

HP: 100%

状態: 敵対

説明: 上空から忍び寄る雀。食べ物を奪うと空へ逃げ出すため、低空にいる内に懲らしめよう。なお、肩に止まる個体は、相手の油断を誘って根こそぎ盗みに来る特殊個体だ。

どうやら、その根こそぎ個体が来たらしい。まぁ、根こそぎだろうと何だろうと、盗難防止の指輪相手には無駄である。俺は投落でたたきつけて倒した。やはり紙耐久だったようで、これだけで倒せた。

ちょうど、そのタイミングで、何かが後ろからぽふってなった。弾け飛んだみたいなので、とりあえず振り返って構えようか。

すると、前方からまた何かがポフったが、何やら距離が近い。というか右手を出したら触れた。左手からの強撃で吹っ飛んでもらいつつ鑑定…

プラズマフェンサー:

種別: モンスター・精霊

レベル: 22

HP: 23%

状態: 敵対

説明: 雷の精霊の眷属。鋭く素早い刺突を得意としている。

さすが魔弾鋼のナックル。これ投落を使えば確定だったが、クールタイム中。まぁ次に来た時にパンチでいいだろう。

とりあえず、どっか行く程度に吹っ飛んだようだから、今はそのまま進もう。

また何かぽふってきた。たぶん、ウィスプの魔法か… 礼の鬼に、遠距離の適性があるなら、近づいて来てくれないヤツの処理を担当してもらうのはありかもしれないな。このダンジョンは、無視して通り過ぎても問題無いが、閉じ込められた上でやられると、永遠に見つからないかもしれないからな。

その後歩いていくと、正面からバチバチとした音。アレは、ランサーがチャージ前にしてくるヤツだったか。確か音が聞こえてから3秒くらい… だったような。正確な所はわからないんだけどな。

で、その後、ぼい~んってなって弾け飛んだ。結局、距離や速度が不明だったので不意打ちになってしまったらしい。そして、俺の特性上、先の尖ったものでチャージして弾かれると、反動で吹っ飛ぶんだよな。ゴブリンライダーやラッシュバードが悲しいことになっていたのはこのためだ。

とりあえず、近くに倒れる音がしたので、近づいて発見。やっぱりランサーだったので、掴んでクールタイム明けの投落!

プラズマランサー:

種別: モンスター・精霊

レベル: 20

HP: 100%

状態: 敵対・怯み

説明: 雷の精霊の眷属。雷で生み出した力を用いて推進力のある突進を仕掛けてくる。

電磁石みたいな感じかな?それとも電気爆発かな?バチバチという音だと後者な気はするんだけど、突進する時には無音になるんだよな。かと言って、至近距離から突進されたら、さすがに突き刺さると思うから、試す必要は無いか。

おや?遠くから、鳥の声。ウィンドファルコンが… 複数来ているな。いいだろう。来い!

とりあえず、ヤツは鳴きながら接近戦を仕掛けてくるので位置が割れやすい。故に、ちゃんと強化で防御を積んでおく。

「ビーーー!」

そして、すでに目の前にいて、翼がぼふってなった。俺は振討で反撃、4割超か。つついてきたので、反撃に聖拳!

「ウィンドファルコンを倒した。経験値を48獲得しました。」

「ビーーーー!」

次が降りて来たようだ。いきなり嘴で腕を指圧された。鳴きながらつつけるんだな。だが、嘴がそこなら… 掴んでからの滝落!やはり一撃だった。

おや?歌声が聞こえて来た。これは、悪戯系か。ファニーっぽいから、勝手に近づいてくるだろう。

そんな感じで、通路を通るだけでも、けっこうな頻度でモンスターがやってきた。まぁ外周部はウィンドファルコンに捕捉されやすいからなんだが…

「ユー様、宝箱を発見しました。」

外周部から内側に入った所で、宝箱を見つけた。ちょうど、モンスターも… いなくはないが、遠くから魔法を使っているようなので放置でいいか。

ミミックを警戒しつつ触鑑定…

宝箱:

種別: オブジェクト

説明: ただの宝箱。

雷の杖:

種別: 武器・杖

説明: 雷属性の魔力が宿る杖。魔力を込めることで、杖先から雷の光線を発射できる。なお、杖本体はあまり丈夫ではないため、戦闘杖としての運用には向かない。

うん。売却だろうな。雷増幅が付いているならまだ使い出もあったのだが…

その後、俺は5層へ続く階段に到着。そして登ったのだが、予想通り、モンスターに四方から群れられることもあり、さながらモンスターハウスだった。まぁ、ファルコンとランサー、フェンサー、たまに妖精だけ狩れば良かったんだけどな。他のモンスター、近づいて来ないか、チックシーフみたいに無害だったから。まぁ雀の方は倒せる時には倒したけれど。

あと、この層でも宝箱を見つけたのだが、引き込み罠、且つ、プラズマスナイパー入りだったので無視した。あいつら、MPが切れると逃げるタイプのモンスターだから、閉じ込め罠の中で狩るなら、魔除けの葉で道を塞いでいく必要があるからな。当然の備えとして100個は用意して来たけれど。