08-12 N2フィールドボス エリートアースモンキー

改定:

本文

「ユー様、おはようございます。」

「おはよう、ナビー。今日は山頂の街へ向かうぞ。」

「了解しました。山頂へ続く道はこっちです。」

翌朝、俺はナビー先導の元、この山のフィールドボスが出現するエリアへ向かった。

なお、ブレイオとおくたんは召喚済みだが、今回は戦闘には参加させない予定だ。

キトル山の頂上付近で俺たちを待っているのは、N2のフィールドボス、その名も「エリートアースモンキー」だ。中腹から出てきていたモンスター「アースモンキー」の進化形態である。

プレイヤーによって乱獲されたアースモンキーたちの敵を取るためか… はたまた、プレイヤーと同じく山を駆け上って来た者としての宿命化… そんな感じの考察がまとめウィキに挙げられていた。

そんなエリートアースモンキー、通称「ボス猿」は、進化によって、アースモンキーとは比べ物にならないほど強化されている。以下はその概要だ。

  1. 遠距離にいる時には、ひたすらに石を投擲してくる。弓矢に比べるとダメージは低いが、立て続けに投げてくる上、インベントリー内にあるようで、決してなくならない。
  2. 接近すると、爪や魔力拳からの土魔法で攻撃してくる。型としては、スピード系アタッカーのスタイル。
  3. 薬草3個、毒消し草2個、安定草2個を所持し、状況に応じて使用。さすがに無限ではないが、知らずに挑むと驚かされる。
  4. ボス補正のため、プレイヤーがテイムして進化させた個体よりも、HPが5倍くらい高い。
  5. 弱点、耐性系はアースモンキーと同じ。よって、雷耐性持ち。

ブレイオだと相性が悪過ぎである。遠距離攻撃効かない、接近したら土魔法で一撃撲殺だ。

「というわけでブレイオ。今回は俺が戦うから、ここで観察な。」

「いや、挑む。」

「気持ちはわかる。だが、今日は観察するんだ。お前ならどうすれば勝てるか、考えるためには、離れた所から見ることも大事だ。」

「…わかった…」

ブレイオには「執着者」技能がある影響か、戦闘に出すと突撃する思考がある。

ただ、勇気と無謀を間違えてはいけない。俺が戦うべきでないモンスターがいるように、ブレイオにも戦うべきでないモンスターはいるのだから。

というわけで、ボスが出現するエリアに入った。

「キー!キー!」

どうやら、もうあっちは気づいているらしい。待ち構えていたのだろうか?

そのまま前進していくと、何かがぽふっとなった。遠くの方でキーキー言っているが、投石だろう。

臆せずボス猿へ近づいていく。その後も数発は石が飛んできた。

「ウキー!」

と思ったら、いつの間にか正面にいて、パンチを打ち込まれた。ほとんどダメージは受けなかったが。

俺はその手を掴み、投落!ここで触鑑定も実施だ。

エリートアースモンキー:

種別: モンスター・フィールドボス・獣

レベル: 10

HP: 63%

状態: 敵対、真理の枷+4

説明: キトル山に生息するアースモンキーの到達点の一つ。道具や魔法も駆使することで、賢く仕掛けてくる。

識別:

体力: 200

魔力: 50

筋力: 30

防御: 15

精神: 30

知性: 15

敏捷: 35

器用: 25

属性: 土

レベル10としては確かに強い。投落で3割以上削っているのは、レベル差と真理の枷の効果であり、本来の適正レベルである 11前後 なら、8%も削れれば十分な威力と言えるだろう。

なお、エリートアースモンキーの弱点属性は「氷」だ。ダメージが1.5倍くらいに跳ねるぞ。

「ウキャー!ウキ!」

おっと、尖った何かっぽい物は… ドリルパンチか?俺もお世話になったな。

その腕を掴み、掴撃!今回はノックダウン狙いでボディブローにしてみた。

「キーッ!」

そして、ボス猿はひっくり返った。HPも4割を切っている。

では… 引き延ばしても仕方ないので、止めを刺そう。纏氷からの聖拳を、ダウン中のボス猿に打ち込んだ。

「キーーッ!」

「N2 フィールドボス エリートアースモンキー の討伐に成功しました。 N3 のマップが解放されます。」

うん。ちょっとオーバーキルだった感じもある。が、聖拳はフィニッシュで使わないと隙を晒すので、ここが使い時でもある。

「主人、強い!」

「ブレイオには負けていられないからな。だが、これで街に着くぞ。」

「わかった。先、行く!」

その後、5分ほど歩くと、山頂に到着した。

「山頂の街 ノンノリアに入りました。」

聞こえて来たのは、人々の話声だった。山頂とは思えない賑やかさだ。

まとめウィキによると、この街の名産物は、キトル山で採取できる薬草や茸、それらから跳躍されたお薬だ。またキトル山の木材は暖炉の牧や建材としても人気があるらしい。

「ナビー。ギルドへ向かう。先導してくれ。」

「了解しました。冒険者ギルドはこっちです。」

とりあえず、まずはギルドへ向かおう。ナビーの地図をアップデートすることが先決だ。

「主人。人、いっぱい。店もあちこちにある。」

「ブレイオはこれだけ人がいる所は初めてだったか。どうだ?こういう街に興味はあるか?」

「わからない。でも、嫌いではない。人がたくさんいるのは、何か良い事がある証拠。」

「良いことか。確かにそうかもな。」

「冒険者ギルドに到着しました。扉は閉まっています。入り口はこっちです。」

そんな話をしつつ、歩いていると、ナビーがギルドの入り口に到着した。

そのまま近づいていくと、扉がギーっと勝手に開いた。いや、中から誰か出て来たようだ。

「おや?従魔付きの冒険者か。開けておくぞ。」

男に声をかけられた気がしたが、声自体も遠ざかりながらだった。「従魔付き」ということだったので俺に対してだったかもしれない。

とりあえず、建物の中の音が聞こえてくるので、扉は開けっ放しが可能なようだ。近づいて、扉に触れてみると、外側に向かって開かれていた。ドアノブも付いていたので、いわゆる個室扉タイプのドアなのだろう。

扉を閉めつつギルドの中へ…

ギルド内は、さらに賑やかだった。今は早朝なので、依頼の確認でもしているのだろう。

「おはようございます。こちら、冒険者ギルドです。本日はどのようなご用件で?」

「俺は冒険者のユーだ。今日は、図書室の利用と、素材の買取りを頼みたい。」

「はい。冒険者証を確認させて下さい。」

俺は、冒険者証をインベントリーから出した。

「確認しますね。え… あ あなたは!」

「どうした?」

「あぁ、失礼しました。ソルットの冒険者ギルドから連絡を受けていましてね。」

「連絡?」

「はい。実は、薬草の仕分け依頼が多くて。ぜひ、受けて頂きたいのですが、どうでしょう?」

「薬草の仕分けか。図書室と素材買取の後なら良いのだが、それと連絡にどんな関係が?」

「助かります。薬草の仕分けに協力的な盲人の冒険者が向かっていると連絡を受けましてね。ソルットでとても助かったとのことですよ。」

犯人はリーネさんだろう。確かにソルットでは薬草の仕分けをたくさんこなした。ただ、「協力的」だったのではなく、「受けられる依頼が限られていた」というのが正しい。

とはいえ、訂正する必要は無いか。悪評ということではないし、たぶん、ここでも薬草の仕分けばかりこなすことになるのだから。

その後は、図書室で本を読んだり、素材を卸したり、薬草を仕分けたりして過ごした。

「ブレイオ。この辺りの本はどうだ?」

「街の歴史。読む!」

てきとうに本を取ってブレイオに読んでもらったり…

「素材は、生物と植物、木材だな?この街では分けて扱うことになっている。最初に薬草から出してくれ。」

「薬草、300近くあるが大丈夫か?」

「多いな。もしかして、登って来たのか?」

「南から登って来たな。仕分けもしてあるぞ。」

「なるほど。仕分け済みか。なら、品質が高いものから出してくれ。」

おくたんが採取しまくった大量の素材を売り払ったり…

「こちら、薬草です。あと、茸もあるんですが…」

「ん?箱に入っているんだが、これを別の箱に仕分けるのか?」

「はい。4箱ほどあるのですが、できますか?」

「それはかまわないが、山積みじゃないんだな。」

「はい。以前は山でしたが、雪崩が起こったもので。」

薬草や茸の仕分けをやったりした。

なお、話を聞いて納得ではあった。薬草の雪崩は大変だったからな。

名前: ユー

種族: ヒューマン

職業: 武僧

性別: 男

称号: [中級武僧], 異界の旅人, 夢見る者, 第4マップ突破者, ダンジョン踏破者, モンスターと戯れる者, 下級魔法使い, 下級賢者, 下級魔拳士, ジャイアントキリング, 記憶に近づく者

HP: 100%

MP: 100%

状態: なし

所持金: 33400p

満腹度: 100%

レベル: 28

経験値: 1147/7250

体力: 79

魔力: 53

筋力: 64

防御: 76

精神: 53

知性: 76

敏捷: 11

器用: 15

技能:

適性: 近接体術5, 中級魔力拳3, 中級気留術3, 魔法(土20, 水19, 木18, 炎19, 光20, 風15, 闇10, 氷10, 雷5)

技術: 触鑑定18, 精神統一4, 受身23, 疾駆18, 安定動作14, 遊泳18, 空手12, 冒険者指導11, 跳躍6

支援: 捕獲握力強化, 逆境を超える心, 不動の守り, 海の心, 薬草知識, 世界知識, 識別, 剛体, 滝の心

耐性: 空腹耐性, 柔軟, 即死抵抗, 物理抵抗, 毒抵抗, マヒ抵抗, 睡眠耐性, 脱力耐性

特質: 盲人, 鈍感, 効果変化 欠損, 正々堂々, 真理3

近接体術:

下級: 強撃, 足払, 投落, 連撃, 反撃, 掴撃, 回脚, 押撃

中級: 霊掴, 振討, 制拳, 滝落

中級気留術:

下級: 癒気, 瞑想, 強化, 帰療, 浄気, 陣気, 活気

中級: 気送

中級魔力拳:

下級: 魔拳, 魔盾, 爆拳, 腕刃, 伝衝, 破魔

中級: 複合

土: 纏土, 集土, 土槍, 石縛, 石波, 土刃

水: 纏水, 集水, 水槍, 水縛, 水波, 水刃

木: 纏緑, 育緑, 緑槍, 弦縛, 緑波, 緑刃

炎: 纏炎, 着火, 炎槍, 熱縛, 炎波, 炎刃

光: 纏光, 集光, 光槍, 光波, 光刃

風: 纏風, 操風, 風槍, 風縛, 風波

闇: 纏闇, 集闇, 闇槍

氷: 纏氷, 冷却, 氷槍, 氷縛

雷: 纏雷, 通電, 雷槍

装備:

牙鱗のナックル, 中級武道着, 雷避けのベルト, 銀編の魔布帽子, 聖銀の小手, 銀編と合革の膝当て, 地蛇の鱗靴, 水中花の靴下, 守り石の首飾り, 緑石の指輪, 盗難防止の指輪, 毒避けの指輪, 赤石の指輪

テイム・召喚:

おくたん(採集特価ゴーレム)

ブレイオ (雷の若鬼霊)

ゴーレム おくたん:

形状: 蛸型

職業: 採集家

レベル: 28

体力: 41

魔力: 3

筋力: 41

防御: 53

精神: 3

知性: 53

敏捷: 53

器用: 83

技能:

適性: 採集16

技術: 水泳16, 素材探知16

支援: 自動転送, 戦意隠蔽

特質: 魔道人形, 魔道吸収, 多客, 戦闘回避, 再生, 蛸の体

メモリー:

FIG1, STR1, AGI1, AGI1, AGI1, AGI1, DEX1, DEX1

装備:

鈴入り鉄のスコップ, 鈴入り鉄の草刈り窯, 鈴入り鉄の伐採斧, 鈴入り鉄のつるはし

名前: ブレイオ

種族: 雷の若鬼精

レベル: 12

体力: 15

魔力: 27

筋力: 22

防御: 15

精神: 31

知性: 15

敏捷: 13

器用: 19

技能:

適性: 槌術16, 体術8, 魔法(雷16)

技術: 念話4, 魔力操作18, 魔棍生成14, 浮遊14, 投擲5, 受け身13, 危険感知15, 疾駆1, 跳躍13, 安定移動18, 観察8, 電磁感応5

支援: 言語(人類), 世界知識, 視力強化(魔)

耐性: 吸収(雷)

特質: 精霊(雷), 半実半霊, 執着者, 若体

槌術: 強撃, 受槌, 振払, 連撃, 回転

体術: 強撃, 足払, 投落, 連撃

雷: 雷球, 通電, 雷槍, 電縛, 雷波, 広雷2

装備:

幽鬼の魔棍, 幽鬼の腰巻, 幽鬼の鉢巻