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翌日、俺とブレイオはキトル山の北端出口に踏み入った。
もうすぐ山を出られる… という所だが、ここはゲーム。例によって、フィールドボスがやってくるのだ。
「キィーーヤァァー!」
「主人。猿の群れだ!」
「だろうな。お供の猿はやれるか?」
「承知。だが、道中の猿と同じなら、容易には倒せぬぞ。」
「それで良い。お供は無限に湧くから、基本的に妨害しつつ、広雷で殲滅だぞ。俺はボスを倒す。」
「心得た!」
さて。俺たちは、N2、つまりキトル山の頂上で「エリートアースモンキー」を倒した。処理としては HP0 にしたし、ボスドロップも入手しているので、殺し切ったとも言えるだろう。
しかし、この世界はNPCでも死に戻りがある。倒したはずのフィールドボスが、1日1回リポップするのも、そういう理屈なのかもしれない。
というまとめウィキの考察ページはともかく、今回、俺たちに立ちはだかるフィールドボスは「アースモンキージェネラル」。「猿ジェネ」と呼ばれた、「グレートアースモンキー」の進化系だ。
こいつに関しては、同じ「キトル山」を舞台にしている故のリベンジか… 中間管理職を倒された親分が出張ってきたのか… など、設定考察が盛り上がった。俺がまだ踏み込んでいない西マップも含め、低ランクマップの中では唯一、前マップとの関係性が伺えるボスだったからだ。
そんな猿ジェネの性能だが、「グレートアースモンキー」の上位互換ではあるが、どちらかと言うと防御寄りな能力であるらしい。
その理由は、今回の追加要素「無限湧きのアースモンキーによる物量攻撃」だ。攻撃はお供に任せるので、自身はタフになったのである。
「キー!キー!キー!キィー!」
猿の声がどんどん増えていく。まだ包囲はされていないようだが、もたもたしたら詰むだろう。
正直、レベル下なので、数を倒す意味は無い。また、相手が土属性なので、ブレイオには厳しい。なので、さっさと猿をかき分けて、ボスを倒してしまいたい所。
俺は、猿の鳴き声がする方へと近づいていった。
そして、まずは一発… 広雷の、ゴロゴロ、ドッカーンという音が鳴り響いた。これで、お供の猿にはダメージやマヒが入るはずだ。その間に、俺は近づいていく。
猿の声が近づいてくると、何かがぽふってなったり、体に触れたりした。触れて、アースモンキーだとわかるものについては、技や魔法を駆使して倒していく。近くでキーキーうるさいのだが、この鳴き声に特殊な効果は無いので無視する。
この時の注意点としては、基本的に猿は倒すことだ。単純に数を減らさないと道が詰まっているということもある。が、殲滅役のブレイオに向かう猿の数は少ない方が良い。
なお、そうして、猿をかき分けながら攻撃していると、正面からぼふっとなった。それを掴むと、どうやら、猿ジェネの元まで来たらしい。
アースモンキージェネラル:
種別: モンスター・フィールドボス・獣
レベル: 17
HP: 100%
状態: 敵対
説明: キトル山に生息するアースモンキーを束ねる者。無数の猿を操り、旅人の行く手を阻む。また、魔力を祝した拳による戦闘も得意だ。
識別:
体力: 595
魔力: 170
筋力: 34
防御: 42
精神: 34
知性: 42
敏捷: 34
器用: 34
属性: 土
識別したステータスからもわかる通り、猿にしては耐久力が増している。HPも含めるとエリートアースモンキーの6倍以上はある。逆に、攻撃力や敏捷は、ボスにしては微妙な所だ。
あと、今回は珍しく、「真理の枷」が付いていない。単純に正面に立ってパンチしてきた影響だろう。今回は物量系だし、からめ手の類は子分がやるので、ボス自体が相手を欺く必要が無いとも言える。
(主人、薬草盗まれた!)
ここで、ブレイオから念話が来た。だからどうした?という所ではあるが。
無限湧きのアースモンキーは、全てが、単純に突っ込んでくるわけではない。中には、泥を投げつけてデバフを与えようとしたり、アイテムを盗んできたりするヤツもいるのだ。
しかし、対策はある。そのため、現在進行形で、俺は猿ジェネとの拳の打ち合いに興じている。ザコの妨害が機能停止しているということだ。
- 視界阻害については、ゴーグルなどを着用して防げる。また、元が土なので、集土や集水で体から引きはがせる。
- 泥によるデバフは、主に器用や敏捷の低下である。このため、長槌など攻撃に器用や敏捷をあまり必要としないアタッカーなら影響を無視できる。
- 物理や魔法攻撃を耐えられるなら、深く考えずに突っ込んで殴れば良い。相手は群れなので、てきとうに攻撃してもどこかしらの猿には当たる。
- 盗難無効の腕輪などを用意すれば、アイテムを盗む猿は置物になる。
「ウキッ!」
猿ジェネのパンチがボフってなった。爆拳のような衝撃だったが、俺のHPは2%も減っていない。
お返しとして、掴撃からの振討、さらに伝衝で攻める。せっかくの近接戦闘になっているので、吹っ飛ばさないようにダメージを与えていった。まぁ、周りが猿だらけなので、吹っ飛ぶスペースが無いとは思うのだが…
」
そして、戦闘開始から15分後…
「キィィィー!」
中級魔力拳の新技「抉拳」が、猿ジェネの体を貫いた!と言ってみる。実際に貫通したかどうかは知らない。
「抉拳」は、パンチの後に槍が生えてきて突き刺さるような刺突攻撃だ。いつも使っていたドリルパンチと違い、攻撃属性の汎用性は乏しくなっているが、刺突としての威力は跳ね上がっている。初撃が打撃属性なので、外殻が硬く内側が柔らかい相手に特に効果がある。
「N3 フィールドボス アースモンキージェネラル の討伐に成功しました。 N4 のマップが解放されます。」
そんなパンチをフィニッシュにして、俺たちは猿ジェネを討伐。やはりというべきか、群れていた猿たちは逃げるように散っていった。
「主人。終わった。」
「ブレイオもお疲れ様だ。じゃ、このまま街へ入ろうな。」
その後は、ナビーの先導に従って移動を再開。2分ほど歩くと傾斜がなくなった。それと共に、少し肌寒さを感じるようになった。
「主人。空気が冷たい。」
「この次の街を超えると、雪原があるからだろうな。街の方は、雪が積もるほどではないらしいぞ。」
現在向かっているのは、N4の街だ。ここも、第4マップの慣例に従い、街中にある固定ダンジョンが攻略対象になっている。つまり、街の北から外は、第5マップなのだ。
北の第5マップの名称は「キースノーズ雪原」。ゲーム仕様のため通れる道は決まっているらしいが、基本的にだだっ広くて雪が積もっているらしい。そんな場所に面している街だから、それなりに冷えるのだと思われる。
「N4 試練の門村 ホムク に入りました。」
俺たちは、北の第4マップに到達した。まずはギルドへ行くとして、その後はどうしようか?
名前: ユー
種族: ヒューマン
職業: 武僧
性別: 男
称号: [モンスターと戯れる者], 異界の旅人, 夢見る者, 中級武僧, 第4マップ突破者, ダンジョン踏破者, 下級魔法使い, 下級賢者, 下級魔拳士, ジャイアントキリング, , 記憶に近づく者, 戦闘狂, サバイバー
HP: 89%
MP: 42%
状態: なし
所持金: 234110p
満腹度: 67%
レベル: 29
経験値: 197/7884
体力: 101
魔力: 62
筋力: 78
防御: 97
精神: 58
知性: 97
敏捷: 15
器用: 19
技能:
適性: 近接体術12, 中級魔力拳10, 中級気留術10, 魔法(土24, 水21, 木21, 炎20, 光23, 風18, 闇15, 氷15, 雷13)
技術: 触鑑定21, 精神統一8, 受身30, 定駆1, 心身安定1, 水中活動1, 冒険者指導15, 空手17, 跳躍8
支援: 捕獲握力強化, 逆境を超える心, 不動の守り, 海の心, 薬草学, 世界知識, 識別, 剛体, 滝の心, 大地の祝福, 剛力, 剛護
耐性: 空腹耐性, 柔軟, 即死抵抗, 物理抵抗, 毒抵抗, マヒ耐性, 睡眠耐性, 脱力耐性, 魔法抵抗
特質: 盲人, 鈍感, 効果変化 欠損, 正々堂々, 真理3
近接体術:
下級: 強撃, 足払, 投落, 連撃, 反撃, 掴撃, 回脚, 押撃
中級: 霊掴, 振討, 制拳, 滝落, 裏拳, 連踏, 高速拳
中級気留術:
下級: 癒気, 瞑想, 強化, 帰療, 浄気, 陣気, 活気
中級: 気送, 気膜
中級魔力拳:
下級: 魔拳, 魔盾, 爆拳, 腕刃, 伝衝, 破魔
中級: 複合, 抉拳, 魔充填
土: 纏土, 集土, 土槍, 石縛, 石波, 土刃, 土壁
水: 纏水, 集水, 水槍, 水縛, 水波, 水刃
木: 纏緑, 育緑, 緑槍, 弦縛, 緑波, 緑刃
炎: 纏炎, 着火, 炎槍, 熱縛, 炎波, 炎刃
光: 纏光, 集光, 光槍, 光波, 光刃, 光壁
風: 纏風, 操風, 風槍, 風縛, 風波, 風刃
闇: 纏闇, 集闇, 闇槍, 闇波
氷: 纏氷, 冷却, 氷槍, 氷縛, 氷波
雷: 纏雷, 通電, 雷槍, 雷縛, 雷波
装備:
シザーグローブ+1, 中級武道着, 雷避けのベルト, 銀編の魔布帽子, 聖銀の小手, 銀編と合革の膝当て, 地蛇の鱗靴, 水中花の靴下, 守り石の首飾り, 魔樹の指輪, 盗難防止の指輪, 毒避けの指輪, 赤石の指輪
テイム・召喚:
おくたん(採集特価ゴーレム)
ブレイオ (雷の成鬼霊)
ゴーレム おくたん:
形状: 蛸型
職業: 採集家
レベル: 29
体力: 42
魔力: 3
筋力: 42
防御: 54
精神: 3
知性: 54
敏捷: 54
器用: 85
技能:
適性: 採集17
技術: 水泳17, 素材探知17
支援: 自動転送, 戦意隠蔽
特質: 魔道人形, 魔道吸収, 多客, 戦闘回避, 再生, 蛸の体
メモリー:
FIG1, STR1, AGI1, AGI1, AGI1, AGI1, DEX1, DEX1
装備:
鈴入り鉄のスコップ, 鈴入り鉄の草刈り窯, 鈴入り鉄の伐採斧, 鈴入り鉄のつるはし
名前: ブレイオ
種族: 雷の成鬼霊
レベル: 27
体力: 40
魔力: 85
筋力: 70
防御: 40
精神: 85
知性: 40
敏捷: 40
器用: 55
技能:
適性: 棍巧術5, 体術18, 魔法(雷32, 付与5, 風4, 水4)
技術: 念話11, 魔力制御15, 中級魔棍生成3, 浮遊19, 投擲7, 受け身21, 危険感知24, 疾駆4, 多段跳躍2, 安定動作4, 遊泳2, 観察19, 電磁感応12, 纏雷
支援: 言語(人類), 世界知識, 視力強化(魔), 逆境を超える心, 反応強化
耐性: 吸収(雷), 睡眠抵抗, 恐怖抵抗, 混乱抵抗
特質: 精霊(雷), 半実半霊, 執着者
棍巧術:
下級: 強撃, 受槌, 振払, 連撃, 回転, 粉砕
中級: 裁撃, 突撃
上級: 纏雷衝撃
体術:
下級: 強撃, 足払, 投落, 連撃, 反撃, 掴撃, 飛蹴, 突撃
雷:
下級: 雷球, 通電, 雷槍, 電縛, 雷波, 雷柱
中級: 雷刃, 雷壁, 落雷
上級: 広雷3
付与:
属性付与1
風:
風球, 送風, 風槍
水:
水球, 集水, 水槍
装備:
幽鬼の魔棍, 幽鬼の腰巻, 幽鬼の鉢巻