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「お、どうやら終わったようだな。二次職の覚醒、おめでとう。」
「ん、あぁ、そのようだ。感謝する。」
その後、おっちゃんに案内されてギルドのスペースに戻ってきた。
では、今回習得した職業について調べてみよう。
名前: ユー
職業: 武僧, 裁定者
称号: [中級武僧], [低位裁定者], 異界の旅人, 夢見る者, 第4マップ突破者, ダンジョン踏破者, モンスターと戯れる者, 下級魔法使い, 下級賢者, 下級魔拳士, ジャイアントキリング, , 記憶に近づく者, 戦闘狂, サバイバー
レベル: 30
体力: 104
魔力: 64
筋力: 80
防御: 100
精神: 64
知性: 104
敏捷: 16
器用: 20
技能:
適性: 近接体術13, 中級魔力拳11, 中級気留術11, 裁定1, 魔法(土25, 水22, 風20, 炎22, 光23, 闇18, 木21, 雷16, 氷18, 付与2)
技術: 触鑑定22, 精神統一8, 受身31, 空手19, 定駆1, 心身安定3, 水中活動1, 冒険者指導15, 跳躍8
支援: 剛体, 剛力, 剛護, 大地の祝福, 海の心, 滝の心, 逆境を超える心, 不動の守り, 薬草学, 世界知識, 識別, 捕獲握力強化
耐性: 物理抵抗, 魔法抵抗, 毒抵抗, マヒ耐性, 睡眠耐性, 脱力耐性, 即死抵抗, 空腹耐性, 柔軟
特質: 盲人, 鈍感, 効果変化 欠損, 正々堂々, 真理4
近接体術:
下級: 強撃, 足払, 投落, 連撃, 反撃, 掴撃, 回脚, 押撃
中級: 霊掴, 振討, 制拳, 滝落, 裏拳, 連踏, 高速拳, 瓦割
中級気留術:
下級: 癒気, 瞑想, 強化, 帰療, 浄気, 陣気, 活気
中級: 気送, 気膜
中級魔力拳:
下級: 魔拳, 魔盾, 爆拳, 腕刃, 伝衝, 破魔
中級: 複合, 抉拳, 魔充填
裁定:
真理の枷1, 裁定の枷
下級魔法共通:
纏, 集, 槍, 縛, 波, 刃
中級魔法・その他:
土: 土壁
光: 光壁
付与: 属性付与1
この機会に技能の整理も実施して、ちょっとだけ通知される内容をシンプルにした。
まず、アナウンス通り、「裁定者」が職業に加わり、称号「低位裁定者」も入った。
次に、「真理」がレベル4に上がった。どうも、これに伴い、精神、知性のベースも増えたようだ。
最後に、「裁定」という技能と、その技っぽいものが加わった。ただ、「槌術」系統の追加は無かったので、武器を使う必要は無いのかもしれない。
真理4:
説明: 真実を看破し、虚偽を滅する資格を得た。自身に対して偽りを与える干渉を無効化する。知性、精神上昇(小)
デメリット: 自身も偽装に関わる能力を発揮できなくなる。
識別: 虚偽、偽装、不意打ち、幻影、鑑定時の干渉、及び、精神に干渉する効果を無効化する。真理の効果発揮時、対象者に「真理の枷」が+1付与される。真理の枷を有する者に対する干渉力補正(微)。
裁定:
説明: 真理に従う者を導き、反する者を裁き、滅する力。
裁定の枷: 「真理の枷」を有する者にスタック値に応じたダメージを与える。ただし、対象が使用者を認識していなければ効果を示さない。また、使用後、対象者の「真理の枷」のスタック値が減少する。
真理の枷1: 「真理」による初回抵抗時、相手に付与する「真理の枷」のスタック値が増加する。
「真理」については、枷が付いている相手に対し、さらに有利に立ち回れるようになったようだ。
そして、「裁定の枷」という技が、「真理の枷を使った攻撃」ということはわかる。ただ、その性能については確かめてみないとわからない。
となると、今からやるべきは検証になるわけだが、ちゃんと調べるには協力者が必要だと思う。そして、ぴったりの人材が、俺のフレンドリストにいるのだ。
「相談したいことがある。二次職として、 裁定者 なる職業に就いた。また、 裁定 なる技能も習得した。性能を検証したいと考えている。協力を得られるだろうか?」
返事は、すぐにあった。
「確認した所、未発見の職業と技能のようです。是非、その時の話や、職業特性について教えて下さい。また、関連する技能や技の追加があれば、合わせて検証させて下さい。場所はどこですか?」
「現在はヒマランの冒険者ギルドにいる。」
「了解しました。キトル村へ移動することはできますか?ヒマランは人が多いので目立ち過ぎることが懸念されるからです。」
「了解。15分後くらいに着くと思うので、キトル村に着いたら改めて連絡する。」
チャットを終えた俺は、キトル村へと向かった。
「あ、ユーさん。来てくれてありがとう!」
「えぇと… カナミーさんでいいんだよな?」
「合ってるよ。でも、どうしたの?」
「悪いな。チャットだと丁寧語だったのと、まだ時間早いと思ったので、戸惑ったんだ。」
「あぁ、それね。あちこちチャットしているから、変に混ざると面倒なんだよね。あと、どこでもできる作業だったから、別に待ってたわけじゃないよ。」
「そうか。それにしても、ここは転移ゲート前だというのに静かだな。」
「密会をするのには便利なんだよ。東は温泉があるし、南はゴブ祭りがあるし。西もありっちゃありなんだけど、あっちもね~。」
そして、カナミーとも再開。「近くの休憩スペース」なる場所へ連れて行かれて、そこで話をすることになった。
なお、実際に連れてこられたのは、「貸家」であり、冒険者が宿や食事場などに使うスペースなのだそうだ。1時間50pで借りられるとのこと。
「今日は検証ネタありがとうね。アドファンで久しぶりの初見職業、しかも、今検証中の 真理 に関するものというのは、ビッグニュースだよ。」
「検証中?というと、 真理 を獲得したプレイヤーが出始めたのか?」
「今、ユーさん以外で3人まで増やしたんだよ。槌士、魔術師、それから錬金術師に取ってもらったんだ。転移ゲートの件、しっかり再現したよ。」
「ほぉ。職業を分けているのは、検証のためか?」
「そうそう。槌士は重装備だから、どちらかと言うと不意打ちされる側なんだ。錬金術師は、何か凄い発見しそうじゃん。魔術師は、純粋に検証だよ。」
どうやら、「真理」の検証も進めているようだ。基本的な効果は、初期の「真理」と同じなのだそうだ。
「うん。それで、 裁定者 というのは、どうやって出てきたの?何か、特別な演出とかはあった?」
「職業に関しては特別な演出やイベントは無かったな。ヒマランの冒険者ギルドで二次職の手続きを依頼して、例の個室に入った後、表示された候補職に普通に載っていたぞ。」
「なるほど。候補職業のログってあるよね?見せてよ。」
「かまわないぞ。これだな。」
「ふむふむ。確かに、真理以外は、ウィキにあるヤツだね。指導者とかレアだと思うけど。」
「当初は、魔拳士か召喚士にする予定だったんだ。だが、説明文を読んで、考えを改めた。」
「迷わず新職を選ぶなんて、勇気あるよね。あれ?変なログがあるよ?」
カナミーが、変なログというものを示してきた。
裁定者としての格を評価中
過去の行動を評価中
世界からの評価を取得中
裁定者の取得に成功
いつの間にか、格とやらを調べられていたらしい。イベント中に特にメッセージは無かったと思うが、ログ通りなら、「裁定者」に就いている辺り、NGではなかったのだと思いたい。
「文面からだと、職業を選択した後かな?何かイベントとか演出とか無かった?」
「イベントは無かったな。演出は、空中に何かふよふよしていたと思うが、そういうものだと思って無視していたぞ。水晶は手元から動いていなかったからな。」
「ふ~ん。動画は… 撮ってないよね?」
「残念ながら無いな。演出の音は、動画で聞いたこともあったものだから、特段珍しいものだとは思わなかったぞ。」
「そっか。じゃ、文面通り、過去の行ないとかを調べられていたのかもね。」
「そうなんだろうな。」
なぜ、ログにだけあんな文面があったんだろう?けっこう重要な通知な気もするのだが、謎だ。俺が水晶のエフェクトに夢中になっていて気付かなかったのだろうか?
ただ、今となっては確かめようが無い。いや、でも、一応運営に問い合わせてみよう。
「あと、これ何?水晶の説明に、こんなの付いてたの?」
「あぁ、水晶に真理が反応したヤツな。バックボーンというか、隠された真実というか、よくわからないが、たまに出てくるんだよな。」
「裁定者には関係なさそうだけど、これはこれで、重要情報のヒントかもね。東というと、やっぱりイールのことかな?」
「かもな。場所が名言されていないから、もっと東かもしれないけれど。この世界、神殿と名の付くスポットがいくつもあるし。」
「だよね~。もし、なんか関係あるイベントに出会いそうになったらその時にまた教えてよ。こっちでも何かわかったら教えるから。」
ひとまず、「裁定者」になるまでの経緯はこの辺りで良いだろう。では、技能の話をしよう。