11-09 S2D 魂の草原でゴースト狩り

改定:

本文

リーネさんが仲間になってからさらに2日が過ぎた。

この間、俺たちは、ソルットのプライベートビーチで技能の育成に力を注いできた。結果として、ラフィは外で十分に戦える程度の技能を得ることができた。

名前: ラフィ

種族: 剣舞の幼魂

レベル: 0

体力: 5

魔力: 6

筋力: 5

防御: 4

精神: 5

知性: 4

敏捷: 6

器用: 6

技能:

適性: 刀剣術13, 体術10, 舞踊3, 歌唱3, 魔法(氷3, 風1, 月1), 採集3

技術: 伝信16, 魔力操作4, 双剣9, 急所看破8, 危険感知12, 直観9, 索敵魔法2, 受け身10, 疾走13, 跳躍12, 遊泳6, 並列思考7, 観察6

支援: 言語(人類), 世界知識, 反応強化

耐性: 冷気耐性, 凍結無効

特質: 幼魂態, 幼体, 樹木殺し

剣: 受払, 飛剣, 連撃, 回転

体術: 強撃, 足払, 投落, 反撃

舞踊: 誘踊

歌唱: 氷歌(鎮静)

採集: 採取量上昇1

魔法: 纏, 集

装備:

氷銀の剣, 銅の剣, 霊布の胴衣, 獣皮の靴, 布の小手, 月光の腕輪, 魔力の指輪

主に、近接戦闘能力を伸ばした。魔法技能は、MPが少ないこともあり、まずは基盤になる技能の習得を急いだ形だ。魔法系は、関連する技能が多いため、少しレベルを上げてからの使い込みになりそうだ。

今の所、彼女が習得している剣技は、剣で弾くとか衝撃波を飛ばすとか、グルっと回りながら切るとか、連続攻撃とかだ。初級の剣技は、基本的にこうしたシンプルなものだ。

それと、装備品については、リーネさんの協力も得て買いそろえた。「月光の指輪」という、月属性魔法習得のキーに使えるアイテムが手に入ったことが行幸だった。なお「魔法(月)」は、夜空を眺めながら対応する指輪の付いた手に魔力を込めていけば生えるらしい。

あとは、筋力がまだ低いので、それで装備できそうな靴と小手を買い足した。元の防御が悲しい状態なので、防具だけあっても… といった状態ではあるが、とりあえずレベルが上がるまでの辛抱だ。

ちなみにリーネさんは、こんなことになっていた。

名前: リーネ

種族: 獣人(狼)

職業: 双剣士, 拳士

性別: 女

称号: [上級双剣士], [中級拳士]

レベル: 37

体力: 122

魔力: 61

筋力: 117

防御: 70

精神: 79

知性: 56

敏捷: 159

器用: 112

技能:

適性: 上級剣術2, 中級体術3, 中級気放術3, 魔法(土24, 水20, 風30, 炎15, 闇25), 中級採集19

技術: 狼武術42, 上級双剣5, 高速投擲19, 広域索敵19, 直感45, 危険感知40, 上位高速解体6, 受身35, 魔力制御15, 縮地8, 特効看破19, 立体起動2, 心身安定2, 水中活動6, 中級並列思考16, 鋼切, 鑑定52, 冒険者指導40

支援: 嗅覚強化, 握力強化, 味覚強化, 視力強化(暗,遠), 超反応, 森の心, 獣の心, 海の心, 滝の心, 剛体, 俊足, 世界知識, 看破, 識別

耐性: 柔軟, 毒耐性, 睡眠抵抗, マヒ耐性, 気絶抵抗, 精神異常抵抗, 燃焼抵抗, 即死抵抗

特質: 森の狩人

装備:

魔鋼の剣, 聖銀の剣, 魔合革の胸当て, 魔銀編の合革小手, 合魔皮の靴, 魔布の膝当て, 水中花の靴下, 防具守りの腕輪, 防具守りの腕輪

当然と言えば当然だが、以前ソルットで出会った時よりも強くなっていた。溢気法と上級技の火力で押し切ったとはいえ、よく勝てたと思う。

それはそうと、リーネさん、ほとんどの防具に「貫通耐性」が付いていたし、「防具守りの腕輪」という、防具の破壊を一定確率で防ぐ腕輪を2つも付けていた。「S5 水晶の洞窟」で修行をしていたのだろうか?

話を戻して、当初の案では、「始まりの草原でラフィのレベルを上げて最大MPを増やす」ことを考えていた。それは実行するのだが、レベル上げの場所は変えることにした。

「S2 ミーミ平原の途中に、魂の草原が出現中です。残り時間1.8日ですが、霊術の習得、場合によっては、最奥へ駆け抜けることも可能かと思われます。」

という情報を、検証班のカナミーよりもらったからだ。

「魂の草原」は、ゴーストが出現する草原タイプのダンジョンだ。つまり、出現モンスターとしては、ゴーストやレイスが主になるだろう。

つまり、ラフィに「霊術」を取らせることが可能である。また、 S2 のダンジョンは未攻略なので、ついでに攻略もできるだろう。今の能力なら、モンスターなんて苦でもないし、「草原」タイプのダンジョンは、直進すれば次階層に行くことが可能だからだ。

ということで、久しぶりのミーミ平原を、ダンジョン発見機も活用しつつ走った。正面のモンスターは、リーネさんに狩ってもらうことで、俺はただ走るだけで良いようにした。途中で、何かぷにっとしたものを踏んだような気がしたが、装備品も無害だったので、気のせいということで良いだろう。

魂の草原:

種別: ランダムダンジョン

階層数: 6

残り時間: 36:11:29

「ダンジョン 魂の草原 に入りました。現在1層です。」

「おぉ、ゴーストがあちこちに見えるよ。でも草原だから明るいと。なかなか奇妙な光景だね。」

「草原だから、まっすぐ行けば良いのも助かるな。教えてくれた知人には感謝だ。」

「うん、絶好のタイミングだと思うよ。それで、今日はここでラフィちゃんの育成だよね?」

「草原のモンスターと1対1をするのは厳しいからな。今回は、少々のパワーレベリングに目を瞑って、技能集めだ。あと、時間があれば駆け抜けて最奥まで行こうと思う。」

「それは賛成するよ。ラフィちゃんもだいぶ剣に慣れたけれど、戦うには体力が厳しいと思っていたんだ。そういえば、ブレイオちゃんはどうやって育てたのかな?」

「ブレイオの場合は、霊体になれたからな。始まりの草原なら、それで相手が倒れるまで殴れたんだ。」

「霊体の物理無効化特性か~。納得。ラフィちゃんだとその戦術は無理だね。」

ミーミ平原を駆け抜けて、ダンジョンに突入した。今の所、「草原」なので、膝くらいまでの高さの草が茂っている。

話に挙げた通り、今日はこのダンジョンを駆け抜けながら、ラフィの「霊術」の獲得とレベル上げを行なう予定である。と、その前に確認すべき事項があったか。

「ところで、リーネさんはゴーストを処理できる武器はあるか?」

「聖銀の剣なら切れるから大丈夫だよ。ユーさんはどうする?要らないと思うけれど…」

「炎の鉄拳を装備する予定だ。まぁ、ブレイオも一緒だから、分断罠を踏んでも問題は無いと思うけどな。」

「炎の鉄拳か~。懐かしい物が出てきたね。うん。備えとしては十分だと思うよ。」

「あと、そうだ。ラフィが見える位置で狩る必要があるから、釣るのはかまわないが、先行して狩ったり、遠距離を飛ばしたりしないで欲しい。」

「霊術だったね。了解。」

俺は、ブレイオとラフィを召喚した。今回、駆け抜けることになるだろうから、おくたんは… まぁいてもいいか。敏捷3桁あるし、ゴーストじゃ倒せないだろうし。

「主人。ここは、どこだ?」

「ここは、魂の草原と言うダンジョンだ。ゴーストが多数出てくるな。」

「モンスター。私、戦うの?」

「いや。今回は、実践の様子を見て学ぶぞ。ラフィは、モンスターの動きや、どうすれば良いかを観察してくれ。」

「ん。」

「ブレイオは、今回はラフィの護衛を頼む。だいたいは、そこのリーネさんが倒してくれるだろうが、万が一魔法がこっちに来たら、迎撃してくれ。」

「心得た。」

俺たちは直進を開始。程なくして「第1ゴースト発見!」と言いながら、リーネさんが倒していた。

「ゴーストを倒した。ラフィは、経験値13を獲得しました。」

「ラフィのレベルが1に上がりました。」

「ん?」

「何か感じたか?」

「ゴースト、消えたら、何か、入ってきた。」

「それは、良い物か?悪い物か?」

「わからない。でも、悪く無い。」

レベルアップのエネルギーなのか、はたまた、ゴーストを吸収したのか… とりあえず、もう少し数を重ねてみないとわからないだろう。

そんなやり取りをしながら、30匹ほどのゴーストを狩った所で、目的の技能は生えた。

「ラフィは、技能 霊術を獲得しました。」

まとめウィキ通りの技能がちゃんと生えた。確かにゴースト30匹で生えるなんて簡単だな。まぁ、ゴースト系はそこらへんに群れているわけではないから、こういうダンジョンじゃないと、数を集めるのは難しいわけだが…

そして、習得していたのは、「吸魔手」。俺たちが「ドレインタッチ」と呼んでいる技だった。そういえば、レイスが普通に使ってきていたな。

その後は、ラフィのステータスが草原で戦える水準になるまでゴーストを狩り、レベル6になった所で切り上げた。ラフィの装備「氷銀の剣」と「霊布の胴衣」は、第6マップでも余裕で使える装備なので、 レベル0 の人並みの体力と筋力が付けば余裕だろう。

なお、「霊術」は、レベル4になっていた。どうやら、ゴーストを狩ることでも経験値が稼げるようだ。新たに「痛撃」という、自身の残りHPの割合に応じて威力が増える近接攻撃技を覚えていた。ドレインと相性が悪いのが悩ましい所だ。

その後は、ラフィを帰還させ最奥部へ向けて突撃した。途中で分断罠を踏んで、俺とブレイオがゴーストに群がられたのだが、広雷で消し飛ばした。

「魂の草原 最奥部に入りました。」

「モータルゴーストだね。あれ近接で切ると痛撃されるから遠距離でいいよね?」

「俺たちのレベルに痛撃が効くとは思わないが、それで良いぞ。」

最奥ボスについても、こんな感じだった。何しろダンジョンボスである「モータルゴースト」はレベル8だ。リーネさんが遠距離攻撃を3発飛ばしたら沈んだ。

報酬だが、「魔力の種」を選択し、ラフィに与えた。なお、そのほかに出たのは「魔法(闇)の技能書」、「呪われた骨(第4マップ素材)」、「ブラッディスタッフ(杖)」だったので、選ぶ価値を感じなかった。

リーネさんは、「精神の種」を選んでいた。他に出たのが、「魔法(闇)の技能書」、「呪われた布(第5マップ素材)」、「浮遊の技能書(人類が使うと跳躍の劣化)」だった。そりゃ、種を選ぶだろう。