12-06 S4 ナザ島の地下迷宮

改定:

本文

二日ほど森でレベル上げをして、ラフィもレベル18になった。それと、彼女の剣術技能がしっかり進化した。

舞剣術:

説明: 剣術、体術、舞踊の技術を組み合わせた複合剣術。舞い踊るように華麗な動きで戦う。

武踊術:

説明: 舞踊の性質を取り入れた体術戦闘の適性。

まずは本命「舞剣術」だ。この技能を得ると、剣を用いた攻撃に、器用、敏捷の何割かが用いられるようになるため、ラフィの攻撃力が飛躍的に上がるだろう。

2つめは、「体術」の踊り子派生だ。「舞剣術」を得ると、脚技特化の「戦脚巧術」との二択になった。正直、どちらも調書短所があるので、ラフィに判断を委ねたらこうなった。

そして、「舞踊」と「歌唱」もレベル20にはなったのだが、まだ進化させていない。というのは、まとめウィキで、「本体の2段階目進化を待つべし」とされていたからだ。その時に解放される種族固有ルートが優秀らしい。

ということで、今後の目標はラフィの進化 レベル20 だ。よって、俺たちはナザ島へと向かった。

「S4 迷宮の浮島 ナザ島 に入りました。」

「お、ユーさん来たね。」

「あぁ。今日は、地下迷宮でラフィのレベル上げを進めるぞ。というわけで、そろそろ出して良いと思うから、ラフィとブレイオも召喚だ。」

「ん?ここは、外?」

「ナザ島か。ということは、滝修行か?」

「いや、今日はここにある地下迷宮だ。ラフィも、十分に戦えるくらい強くなったからな。」

「ん。でも、ここ、村の中。私、いていいの?」

「そろそろ、一緒に街や村を歩くのも良いかと思ってな。ラフィは、そういうのは嫌いか?」

「そんなこと無い。もっと、外で一緒にいたい。」

どうやら、大丈夫なようだ。では、ダンジョンへ…

「おっと。一つ言い忘れていたことがあったな。今日はダンジョンに向かうが、明日くらいからは、始まりの街に行こうと考えている。」

「始まりの街?あぁ、出現している謎の塔の調査だっけ?」

「だな。どうやら、塔の中に森があって、この地下迷宮の下層並みのモンスターが出るそうだ。森の心がまだだったから、そこで習得を狙いつつ育成できればと考えている。」

「あぁ、それは効率的かもね。でも、今日はこっちなんだね?」

「情報によると、森のモンスターは、獣、植物、妖精などが出るそうだ。今のまま行くと、ちょっと怪しいからな。」

「なるほどね~。あそこ、なぜか私たちは弾かれちゃうみたいなんだよね。異人にしか入れないなんて困っちゃうな~。」

公式イベントの会場だが、検証班によると、NPCは一緒に入れないそうだ。まぁ、プレイヤー向けのイベントだし、プライベートビーチのように、重要NPCが勝手に入ったら困るんだろう。

それはともかく、今日は地下迷宮だ。俺は、いつも通りナビーの先導に従ってダンジョンへと向かった。そして、入口を鑑定した上で、中に入った。

ナザ島の地下迷宮:

種別: 固定ダンジョン

階層数: 6

「ダンジョン ナザ島の地下迷宮 に入りました。現在1層です。」

地下迷宮に入ると、地面はナザ島の土よりもより硬い感触になった。でも、石やタイルではなく、粒の細かい土を踏み固めたような感じになっていた。

また、反響した音を聞く限り、通路の幅は4メートル、高さは3メートル程度あるようだ。そんな通路が、遠くまで伸びていたり、途中で分岐していたりする。

それから、近くではないが、水の音が聞こえている。「地下」に降りていくことを考えると、1層からこれだと下層は水没していてもおかしくない。だが、そこはダンジョンの不思議パワーで水没しないようだ。

では続いて、今日挑む予定の低層で出現するモンスターだ。もちろん、まとめウィキで調べてきた。

フライングフィッシュ: 宙を浮かぶ魚。水鉄砲や体当たりを仕掛けてくる。動きはあまり早くない。

飛びヒトデ: 跳躍した勢いを使って、移動や攻撃をしてくるヒトデ。なお、水中だと自由に動ける。

爆弾シェル: 所々で出現するトラップのようなもの。ダメージを与えたら30秒以内にたたき割るか逃げるかが必要。

カエル戦士, カエル僧侶, カエル術師: よく3匹セットで出てくるカエル。カエル戦士は、後衛を守るように行動するので、マヒや束縛で封じるか、防御なんて関係ない範囲攻撃が有効。

カエル勇者: カエル3種が揃っていると、ポップすることがある。今回はちゃんと出て来るのだろうか?

コンファーモス: 実況動画の主が「苔人間」と呼んでいる植物系モンスター。光る苔から手足が生えて、二足歩行できるらしい。光属性の魔法で攻撃してくる。

水系のモンスターが多いのだが、一種だけいる苔が少し厄介。ラフィは、光属性に弱いし、ブレイオの雷は例によって半減される。ただ、逃げないみたいだし、弦の類も無いようなので、俺が処理しても良いだろう。

「主人。魚が2匹、それと、光る植物が2匹来ている。」

「さっそくか。ブレイオは魚を。ラフィは、苔をやれるか?光魔法に注意な。」

「光、来るの?気を付ける。」

「そんでもって、俺は祈祷だな。」

「ユーさん、地味だね。まぁ、レベル上げの途中だから仕方ないか。」

確かに、一人で祈祷をしているのは地味だと思う。ただ、目的が「召喚獣たちの復活手段」なので、とにかく今はレベル上げに勤しむしかない。以前イベントで得たチケットは、体術系統を上級に上げるための経験値にしたからな。

「あっ!」

「ラフィ、こっちに戻って来い。リーネさん、倒して来てもらえるか?」

「ほ~い。ラフィちゃんの敵は私が取ってくるよ!」

「いや、ラフィは死んでないからな!」

どうやらラフィが光槍に刺さったらしい。ダメージ通知をOnにしているので、攻撃を受けたことはわかる。その一撃でHPが4割も溶けた。

ということなので、いったんラフィを呼び戻す。今の所、ラフィを回復させる手段を俺は覚えていないからだ。ゴースト系は、基本的にHPをドレインすることでしか回復できないのが苦しい所。

「モンスターの群れを倒した。ラフィは、経験値282を獲得しました。」

ラフィよりモンスターが格上ということもあり、経験値が高い。なお今更だが、今はリーネさんとパーティを組んでいるため、獲得経験値が55%に下がっている。

「次は、貝と、また苔か。」

「ブレイオ。ならここから貝を狙えるか?」

「問題無い。苔にも届くが良いか?」

「かまわない。どうせ倒すんだしな。」

爆弾シェルは、超遠距離から攻撃して安全に爆破するのが鉄板だ。たぶん、倒そうと思えば一撃で倒せるけれど、爆破してしまう方がコストは少ない。

「ぬ。倒せぬか。」

「爆弾シェルはびっくりするくらい硬いからね。でもこのペースだと、コンファーモスも巻き込みで消し飛びそうだね。」

「そうか。なら、爆破してから進もう。生きていたら対処すれば良い。」

ブレイオによる広雷で遠距離攻撃… そこから30秒後、前方からドーンという音がした。爆発で強い風は吹きつけてきたが、衝撃の類は無かった。確か、爆弾シェルの自爆は、10メートルくらいが有効射程だっただろうか…

そんな感じで、見つけたモンスターを狩りながら、地下迷宮を散策した。

なお、地下迷宮の地図は、しっかりナビーに入っているので、俺たちが迷うことは無い。まぁ、今回は低層で狩りをするだけなので、索敵でモンスターの気配が多い方へと向かってもらったわけだが…

「お?宝箱だよ。罠ではないみたいだね。中身は… あぁ、MPハイポーションか。」

そして、たまに宝箱も発見できた。出てきたものは雑多な消耗品ばかりだったけれど。